しかし、chocoZAPのサービス開始から1年も経たないうちにRIZAPの売上を抜いた事実からも、本気層がターゲットのRIZAPと違い、一般層がターゲットのchocoZAPでは市場規模が桁違いだ。しかもchocoZAPには単なるフィットネスジムにとどまらないユニーク性がある。
現在の優先順位は日本市場だが、テストマーケティングを繰り返した結果、手応えを感じれば、海外での多店舗展開も十分あり得る。RIZAPグループの逆襲⑥でも触れたとおり、RIZAPの強みの一つは、徹底したマーケティングである。よって、今後海外展開が本格化した場合、見切り発車ではなく、採算が取れると判断したと言える。海外展開が成功すれば市場規模が一気に広がり、RIZAPグループの将来性はさらに大きくなる。今後の海外展開にも期待したい。
東証プライム市場への上場・配当方針
RIZAPグループは、時期を明言はしていないが、東証プライム市場への上場を目指している(※現在は、札幌証券取引所アンビシャスに上場)。
東証プライム市場の主な上場基準として、株式流動性、財務健全性、コーポレートガバナンスなどがある。流通株式比率など一部に課題はあるように思うが、多くの要件は満たしており、おおむね問題ない。東証プライム市場への上場は、流動性・信頼性・認知度が向上し、より売買しやすくなるメリットがあるため、こちらも将来の期待材料である。
また、RIZAPグループでは、2025年3月期通期における連結決算黒字化及び安定的な財務基盤構築による配当原資の確保を前提に、配当の実施に向けた検討を行っている。配当の目安としては連結配当性向20%である。こちらもプラス材料だ。
以上、私自身でも思った以上に長くなってしまったが、いったん、これで終了としたい(定期的にRIZAPグループについて書く予定です)。
2019年3月期に193億円という巨額の赤字を計上したところから、RIZAPグループの逆襲はまだ始まったばかりだ。RIZAPグループの今後のますますの活躍に期待したい。未来は明るいと信じる。

RIZAPグループ中期経営計画(2023年3月期〜2026年3月期)P61より