
ロシアによるウクライナ侵攻以降、国際サッカー界から排除されているロシアの復帰について、再び議論が活発になっている。FIFA(国際サッカー連盟)とUEFA(欧州サッカー連盟)は制裁措置の見直しに関心を示しており、デンマークサッカー協会会長でUEFA執行委員のイェスパー・メラー氏は、両組織がロシアのクラブおよび代表チームの大会参加を再考していると明かしている。
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、4月3日にセルビアのベオグラードで開催されたUEFA総会に出席し、ロシアの国際舞台復帰を訴えた。
ロサンゼルスから到着した会長は演説の中で「ウクライナでの和平交渉が続く中、次のページに進めることを願っている。ロシアが国際サッカー界に戻るということは、すべてが解決したということだからだ」と述べ、団結の象徴としてロシアの復帰を希望。「それこそが我々が祈るべきことであり、サッカーは分断のためにあるものではない」とも語っている。
UEFA内部ではロシア問題が再浮上しているが、直近の執行委員会の議題には含まれていなかった。総会では、ロシアサッカー連合(RFU)の社長であるアレクサンドル・デュコフ氏が執行委員を退任。デュコフ氏は、戦争開始後に複数の政府から制裁対象となっていたが、それにもかかわらず委員として活動していた。なお、ロシアサッカー連合総会では、デュコフ氏が再び会長に選出されている。
また、UEFAのナショナルアソシエーション部門ディレクター、ゾラン・ラコビッチ氏も「ロシア代表を含むロシアのスポーツが従来の地位に戻ることを期待している。ヨーロッパのスポーツファミリーへの復帰を信じている」と発言。2023年にはUEFAがロシアのU-17代表の復帰を試みたが、執行委員会と加盟国の意見が割れ、政策は混乱を招いた。