ゾンビを”つくる”儀式──ハイチのヴードゥー信仰

 死者が蘇るのを防ぐどころか、意図的にゾンビを作り出す文化も存在する。ハイチのヴードゥー教におけるボコール(呪術師)は、”ゾンビパウダー”と呼ばれる毒性のある粉末を使って生者を仮死状態に陥れ、埋葬後に掘り起こして”ゾンビ”として蘇らせるという。

 その後、精神を失わせる薬草を与えることで、対象者は記憶と言葉を奪われ、ボコールの奴隷として農作業などに従事させられるとされている。

 1980年代には、18年前に死亡したとされる人物クレルヴィウス・ナルシスが故郷に戻ったという実例が報告され、実際に彼の姉妹によって本人であると認められた。この事件をきっかけに、民族植物学者ウェイド・デイヴィスが現地調査を行い、ゾンビパウダーの成分としてフグの毒(テトロドトキシン)が含まれていたことを突き止めた。

 古代から続く「甦る死者」への恐怖は、各地でユニークな儀式を生み出してきた。その中には、現代科学の光を当てることで、そのメカニズムの一端が見えてくるものもある。ゾンビ伝説は単なる迷信ではなく、死への畏怖や社会的排除といった、人間の根源的なテーマを映し出す鏡なのかもしれない。

提供元・TOCANA

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