そんな時、マーフィーに大きな変化が生じました。

画像
卵と勘違いして石を温めるマーフィー / Credit:World Bird Sanctuary(facebook)

なんとマーフィーが2023年1月になって、突然地面に巣を作り始めたのです。

しかし巣の中に卵は入っておらず、代わり石が入っていました。

ほかの仲間やスタッフたちが見守る中で、マーフィーはその石を温め、慎重に世話をしていました。

彼は巣を離れることはほとんどなく、自分の必要を満たすことを最小限に抑えてまで石に愛情をそそぎ続けたのです。

彼が育てた「卵」への献身は、周囲のスタッフだけでなくネット上で話題になり、世界中の人々を引き付けることになりました。

では、マーフィーの「卵」はどうなったのでしょうか。

もちろん、石からヒナが生まれることはありませんでした。

画像
ヒナを託され「本物の父親」になるマーフィー / Credit:World Bird Sanctuary(facebook)

しかしスタッフたちは、石の代わりに、新しく保護されたハクトウワシのヒナをマーフィーに託すことにしました。

その結果、マーフィーの父親としての愛情は再び燃え上がり、ヒナを甲斐甲斐しく世話するようになりました。

彼はヒナが成長して野生に帰るまでサポートし続けました。

マーフィーは偽物の卵の親から、本物の親になったのです。

その翌年には、マーフィーに2番目のヒナが託され、この子も順調に成長しています。

では現在、マーフィーとヒナはどうしているのでしょうか。

父親マーフィーが嵐によって亡くなる