AIが社会の“格差”を埋める?
ゲイツは2024年にLinkedInの共同創業者リード・ホフマンとの対談でも、AIの進化が医療や教育の格差是正に貢献する可能性を強調していた。
たとえば、医師が不足している地域でも、AIが24時間365日、個別に診断やアドバイスを提供できる時代が来るという。また教育現場では、AIが生徒の進捗を細かく分析し、教師にその情報を提供することで、学習支援の質が飛躍的に高まると見ている。
もちろん、「機械に任せてしまって本当にいいのか?」という懸念もある。アメリカのコメディアンであり作家のスティーヴン・コルベアは番組内で、人間関係の温かさや共感力といった“非効率だけど大切なもの”が失われるリスクを指摘。心理学者ハーロウの“代理母実験”を引き合いに出し、AIには人間の“ぬくもり”を真似ることはできても、完全に代替はできないのではないかと問いかけた。
これに対してゲイツは、AIが優れた医師や教師から「人間との接し方」を学ぶことができると反論。人間の代わりにはならないが、補完し、支える存在にはなれるという立場を示した。