法的にはロシアの侵略であるが、ウクライナが何も悪いことをしていない純然たる被害者であるかのように考えたり、そのように扱うことは問題である。そもそも、ウクライナが国家を形成した歴史はロシア革命以前にはなく、ウクライナ人という民族が存在したのかも定かでない。スターリンの政治的思惑によって成立したウクライナの独立は、法的にはともかく、歴史的には疑問が残る存在であり、それ自体が火薬庫である。しかし、ここではその議論は措く。
もちろん、ロシアのウクライナ侵攻は違法である。しかし、ウクライナは2014年以降、選挙で選ばれた大統領を追放し、クリミア軍港の地位を危うくし、ロシア系住民を弾圧し、高度な自治を拒否し、さらにNATOやEUへの接近を図った。これが危険な火遊びでなくて何であろうか。
戦後には、無理のない、長期的に安定する体制が構築されることを願う。