【シリコンバレー時事】生成AI(人工知能)サービスで、誰でもアニメや漫画のキャラクターを作れる時代になった。利便性の一方、既存のアニメとほぼ同一のキャラが瞬時に生成され、AIによる著作権侵害が一段と現実味を帯びてきた。その懸念は日本が誇るコンテンツ産業にも広がっている。
スタジオジブリ風のトランプ米大統領や実業家イーロン・マスク氏。米オープンAIが25日、「チャットGPT」に画像生成の新機能を加えると、X(旧ツイッター)上ではこうした画像を共有する人々であふれた。オープンAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)も、自身のプロフィル画像をジブリ風にした。
オープンAIは「アーティスト作品の美学に似た画像を生成できる」と説明する。存命のアーティストのスタイルは排除するよう設定したと強調しているが、権利侵害の歯止めとなっているかは疑問だ。
例えば、漫画「名探偵コナン」の主人公である「江戸川コナンのポスターを作って」と指示すると、本物と見まごう絵が示された。出版元の小学館は取材に「調査中」と答えた。オープンAIだけでなく、米グーグルやメタ(旧フェイスブック)のサービスでもこうした画像が作れる。
開発企業は、AIに大量のデータを学習させる。実在のキャラを作るよう指示した際に、データをそのまま引用した可能性がある。企業は文章や音楽、絵画の著作権者から許諾を得ずにAIに学習させている場合があり、米国ではメディアや芸術家、音楽会社などとの訴訟に発展している。
開発企業側は裁判で、調査・研究などを目的とし、著作権市場に悪影響を与えない限り、許諾を不要とする「フェアユース(公正利用)」の範囲内と主張するのが一般的だ。裁判所が公正利用の範囲をどう線引きするか注目される。
オープンAIなどの開発企業は、著作権侵害の責任は利用者にあるとの立場を取り、侵害しないよう規約で注意喚起している。オープンAIは侵害の申立窓口を設け、継続的な違反者を締め出す可能性を示している。 (了)
(記事提供元=時事通信社)
提供元・Business Journal
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