研究者たちは、世帯構成や空き家の推移も加味した現実的な推定を行い、日本全体を1km四方の地図に分割して、未来の家族構成と住宅需要を描き出したのです。
では、それに従うと、2100年の日本の未来はどうなっていたのでしょうか?
2100年の日本の景観はどうなってる?
研究の中心となったのは、2015年から2100年までの世帯数と建物用地面積の将来予測です。
人口の変化に加えて、男女別・年齢5歳階級別・家族類型別といった詳細な社会構成要素を使って、5年ごとに世帯数の推定が行われました。
その結果、2100年には総世帯数は2015年の約0.35〜0.68倍にまで減少する見込みであることがわかりました。
これは人口減少と世帯主率の低下が主な要因です。
一方で、特筆すべきは「85歳以上の単身世帯」が今後急増することです。2100年には最大で約190万世帯と、2015年と比べて約1.9倍になると推定されました。
そして、この人口・世帯数の減少に伴い、住宅が余ってしまう状況が深刻化します。
研究によれば、2100年には全国で空き戸数が最大で約4300万戸になる可能性があるとされています。 これは2015年比で約4.2倍に相当します。

住宅用の建物用地面積も縮小し、2100年には約3600〜5700平方キロメートルと、2015年比で最大約0.42倍まで減少するという推計結果が出ました。
つまり、住む人がいないのに建物だけが残るという未来が、日本各地で現実になっていくかもしれないのです。
こうした空き家の増加は、単に建物が無駄になるだけでなく、景観の悪化、防災面でのリスク、そして地域コミュニティの崩壊など、さまざまな社会的問題を引き起こすおそれがあります。
今回の研究は、こうした未来をただ悲観的に語るものではありません。
むしろ、それをあらかじめ可視化し、対策の方向性を検討するための「未来の地図帳」を提供する試みといえるのです。