ケトン体サプリメントは救世主になるか?

 この発見から、「ケトン体を補給すれば、脳の老化を遅らせることができるのではないか?」という仮説が生まれた。研究チームはこれを検証するため、20歳から79歳の被験者を集め、簡単な実験を行った。

 被験者は一晩絶食した後、脳の状態をfMRIでスキャンされた。その後、カロリーを調整した「ケトン飲料」か、同じカロリーの「糖質飲料」のどちらかを摂取し、30分後にもう一度fMRIスキャンを受けた。

 その結果、驚くべきことに、ケトン飲料を摂取したグループでは、ごく短時間のうちに、脳老化の指標とされるネットワークの乱れが軽減される傾向が見られたのだ。特に40歳から59歳のグループでその効果は顕著だった。一方、糖質飲料を摂取したグループでは、そのような変化は見られなかった。ただし、60歳以上のグループではケトン飲料の効果は比較的小さかったことから、もしケトン体サプリメントが有効だとしても、早めの対策が重要になる可能性が示唆される。

 もちろん、これは短時間での効果を見た初期段階の研究であり、ケトン体サプリメントが長期的に脳の老化を防いだり、認知機能を改善したりするかどうかは、まだわからない。ムヒカ=パロディ氏は、長期間サプリメントを摂取した場合の追跡調査や、そもそもインスリン抵抗性を招かないような食生活の改善が、根本的な対策になる可能性にも言及している。

 脳の老化という誰にとっても他人事ではない問題。そのメカニズム解明と対策への道のりは、まだ始まったばかりと言えるだろう。

文=深森慎太郎

提供元・TOCANA

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