相馬が主戦場とする左サイドは、名古屋で言えば昨年夏にFC東京から期限付きで加入し今冬完全移籍へと移行したMF徳元悠平や高精度の鋭いクロスが持ち味のMF山中亮輔らが在籍している。いずれもキックの質の高さでチャンスを作る能力には長けているものの、相馬と比べて自ら仕掛けて敵陣深くを脅かす場面は多くない。昨年も得点数はリーグ内で下位に甘んじていたことを考えると、今こそ相馬を求める声が多く聞こえたとしても不思議はない。

中谷進之介 写真:Getty Images

中谷進之介(ガンバ大阪)

今季、第6節が終了した時点でリーグワーストの14と失点の多さに苦しむ名古屋。そんなチーム状態なだけに、2023シーズンまで在籍したDF中谷進之介がいればと感じるファンやサポーターは多くいることだろう。

中谷は2018年の6月に柏レイソルから名古屋へ加入すると、以降2023シーズンまで守備の中心選手として活躍。2021年には日本代表にも選出された国内屈指のセンターバックだ。ガンバ大阪へと移籍した昨季は、38試合すべてに出場。守備に安定感をもたらしただけでなく、4つのゴールを挙げるなど攻撃面でも存在感を見せ、前年まで低迷していたチームを一気に4位へと押し上げる原動力となった。

名古屋は今冬、左利きのDF宮大樹やサイドでもプレー可能なDF原輝綺、空中戦の強さが売りのDF佐藤瑶大といった選手たちを補強。即戦力を多く迎えて守備陣の強化を図ったが、残念ながら現時点では結果に結びついているとは言い難い。守備を統率する選手という意味でも、もし中谷が今もチームに在籍していればと感じる場面は多くある。


前田直輝(名古屋グランパス所属時)写真:Getty Images

前田直輝(サンフレッチェ広島)

得点源となれる選手に怪我人の出ている名古屋にとって、FW前田直輝もまた願わくば帰還してほしい選手の1人だろう。前田は2018年7月に当時J2の松本山雅より名古屋へ加入。初年度から18試合に出場し7ゴール4アシストと多くのゴールに絡む活躍を見せた。翌シーズン以降も途中出場が多いながら結果を出し続け、2021年12月にはオランダのFCユトレヒトへ期限付き移籍し海外挑戦も果たしていた。