トーマス・トゥヘル監督 写真:Getty Images

 2026FIFAワールドカップ北中米大会の欧州予選第2節が3月24日に行われ、グループK首位のイングランド代表は、ホームでラトビア代表に3-0で勝利した。昨2024年10月16日にガレス・サウスゲート前監督(2016-2024)の退任を受けて就任したトーマス・トゥヘル監督は、就任後2連勝を果たした。

 海外メディアではトゥヘル監督起用の理由が、主に5つ挙げられている。

 第一に、トゥヘル監督がこれまで率いた4クラブすべてで主要タイトルを獲得してきた実績ある「勝者」である点が大きい。ボルシア・ドルトムント(2015-2017)では5年ぶりのドイツカップ制覇、パリ・サンジェルマン(2018-2020)ではリーグ・アン連覇と国内三冠、チェルシー(2021-2022)ではUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝、バイエルン・ミュンヘン(2023-2024)ではブンデスリーガ制覇を成し遂げている。

 第二に、同監督がノックアウト方式の大会で抜群の強さを発揮してきた点だ。チェルシーではシーズン途中の就任ながら、決勝までのノックアウトステージをわずか2失点で制覇。PSGをCL決勝に導いた経験も持つ。短期決戦の連続である代表戦との相性も良い。

 第三に、イングランドのサッカー文化や言語への適応力がある。ドイツ出身のトゥヘル監督は流暢な英語を話し、チェルシーでの指導経験を通じてイングランドの選手やメディア環境への理解も深めている。かつてのイタリア人監督、ファビオ・カペッロ監督(2008-2012)のような言語面の不安はない。

 第四に、イングランド代表キャプテンのFWハリー・ケイン(バイエルン)との関係が重要だと言われている。2023/24シーズンにバイエルンで共に戦い、ケインは45試合で44得点12アシストというキャリア最高の成績を記録。代表でもこの再現が期待された。