営業利益、EBITDA、そしてARPU。3つの指標を見てきた。

楽天に限らず、企業は、自社にとって都合の良い指標を採用することが多い。ときには、新たな指標を「創造」することさえある。そういった行為は、株主・債権者などステークホルダーたちの判断を誤らせかねない。

先に、「9つの異なる方法で営業利益が算出されている」と述べた。この状況を問題視したIFRSは、27年度から営業利益のルールを一部変更する。国際会計基準審議会で理事を務めた鶯地隆継氏(青山学院大学特任教授)は、ルール変更の理由について、以下のように述べている。

「(理由は)企業独自の業績指標があまりに拡大していることだ。『コア営業利益』や『調整後営業利益』といった様々な名称の利益指標を企業が用いてきた。経営者が自社にあったKPI(重要業績評価指標)を利用することは重要だが、前年度までの指標を十分な説明なく平気で変更されることもある」

IFRSで営業利益の定義統一、日本流「経常利益」どうなる|日本経済新聞 電子版

「ゴールポストを動かす」というと、言い過ぎだろうか。だが、状況に応じて変更されたり、作り出されたりした指標は、過年度比較・競合他社比較を難しくする。決算説明の目的は「透明化」であることを忘れないでいただきたい。

高い自己評価と低い他者評価

最後に、古典的な指標である自己資本比率と、外部格付け機関の評価を見ておこう。

楽天グループ(全体)の自己資本比率の直近値は「4.67%」。ソフトバンクの「25.54%」、KDDIの「34.88%」と比べ、極めて低い。これは、長期安全性が低いことを意味する。要因は多額の負債だ。具体的には、モバイル事業資金調達のため発行した多額の社債が要因である。

その社債の格付けも低下している。格付投資情報センター(R&I)は、楽天の長期社債を「A-」から「BBB+」へ。日本格付研究所(JCR)は「A」から「A-」へ、それぞれ格下げした(※2)。