2020年11月からスタートしたJR東日本「メモリアル185(いっぱーご)」。ファンの間で騒然となったのが、オリジナルグッズの数々です。第1弾のヘッドマークピンバッジをはじめ、数々のアイテムが発売直後に完売になり、急きょ再販されるなど大きな話題となっています。
さらにツイッターでも「#メモリアル185」「#185系おもいで館」などのタグを付けた投稿が多数投稿され、盛り上がってます。SNSとグッズ販売などを活用し、鉄道との相乗効果を期待するという、JR東日本のやる気がみなぎった豪華企画です。
座談会後編は、南田・大内コンビと、駅のコンビニ「NewDays」などを運営するJR東日本リテールネットの商品企画担当者が出席。さらに185系プロジェクトを手掛けたJR東日本東京支社営業部の担当者にもお話を聞きました。
185系での親子旅がさらに楽しく&グッズがますます欲しくなるエピソードをご紹介します。
- グッズ爆売れ!担当者インタビュー
- 1.185系マスクは大人気
- 2.ヘッドマークピンバッジで親子の会話も弾む
- 3.おすすめグッズ&第3弾情報
- 企画担当者に聞く、185系プロジェクトへの思い
- 1.社員からの応募殺到「メモリアル185系おもいで館」
- 2.年末年始も185系企画で楽しもう!
南田裕介さん
ホリプロスポーツ文化事業部チーフマネージャー。奈良県出身。ホリプロでタレントマネジメント業務の傍ら、CS日テレプラス「鉄道発見電 鉄兄ちゃん藤田アナが行く!」、BS日テレ「友近・礼二の妄想トレイン」など鉄道番組に出演。9月に「南田裕介の鉄道ミステリー」(天夢人)を発売。
大内学
JTBパブリッシング「JTB時刻表」編集長。3人の子どものパパ。1976年神奈川県生まれ、茨城県育ち。筑波大学卒業後、株式会社日本交通公社(現JTB)に入社、出版事業局配属。2004年に出版事業局の分社に伴い、JTBパブリッシングへ。2014年4月から「JTB時刻表」第17代編集長。
グッズ爆売れ!担当者インタビュー
「メモリアル185」のグッズは、駅のコンビニ「NewDays(ニューデイズ)」や鉄道グッズショップ「GENERAL STORE RAILYARD 大宮」などを運営する、JR東日本リテールネットから発売されています。同社営業本部コンビニエンス営業部企画課の浅見友彦さんは、今回の185系オリジナルグッズ販売の商品開発や販売店舗選定を担当。「これ欲しい!」と盛り上がっている南田・大内コンビとともに語り合います。
オリジナルトートバッグを手にしたJR東日本リテールネットの浅見友彦さん。マスクはA柄。「実はちょっと派手かなと内心思っていたのですが、すぐ完売になったのでびっくりしました」
1.185系マスクは大人気
大内: グッズがかなり好調のようですね。11月21日の、第1弾グッズ発売日には行列もできていたと聞きました。
浅見: 第1弾の中でもすぐ完売したのがマスクです。2種類ありまして、ワンポイントのB柄のほうは12月19日に再販となりました。
大内・南田: 素晴らしい!(拍手)。実物かっこいいですね~!
浅見: マスクだけでなく、マスクケースのデザインにもこだわりました。やっぱり反響があるのはうれしいですね。ケースをセットにしたのもご好評いただいた理由かな、なんて考えています。
大内: ケース裏側のデザインを見ると、湘南色リバイバルや新前橋色など、過去の塗色の違いも忠実に出していますね。(詳しくは特設Webサイト内「185系40年の足跡」参照)
浅見: 商品企画はただ列車が好きなだけでは務まりませんし、上司や関係者にも一歩引いた目で見てもらい、客観的な意見をもらいました。鉄道グッズを作る際にもっとも注意するべきは正確性で、「この塗色でこのヘッドマークの列車は走っていない」など、仕様が違うのは絶対にNGなんです。特に185系は歴史のある車両なので、しっかり全部を紹介したかったんです。現役の「踊り子」に目が行きがちですが、いわば「南行き」だけでなく「北行き」もあった点は伝えたかったです。
南田: マスクケースの表側には「クハ185-1」(185系の先頭車両)と入っているのもこだわりですね。(「サロ」とかも作らないのかな…と小さくつぶやく)
浅見: ただ、再販も数量限定販売でして、お早めにお求めいただければと思います。
南田: そんな!10枚セットとか、15両編成のセットで出してくださいよ~!
再販が決定した185系マスクB柄(マスクケース付き)770円(税込)。NewDays
我孫子、熱海、TOKYO!!!グランスタ東京、GENERAL STORE RAILYARD 大宮などで販売。
2.ヘッドマークピンバッジで親子の会話も弾む
浅見: 12月19日にはピンバッジ第2弾が発売となりました。第1弾で完売した185系トートバッグ(2980円税込)も再販しましたので、ぜひ好みのピンバッジを付けてカスタマイズし、楽しんでいただければと思います。
南田: 踊り子ピンバッジは3種類あって、トートバッグ付きなんですね(3980円税込)。「特急踊り子」「L特急踊り子」「モントレー踊り子」っていうこだわりがすごい。
浅見: 「踊り子」関連のグッズで、ここまで展開するのは初めてです。
大内: 「るるぶKids」のパパママ世代に限らず「踊り子」3種類すべてを知っている人は少ないかも…。
南田: 現役の「踊り子」だけでなく、過去に走っていた列車のヘッドマークも販売しているのがいいですね。
浅見: 今、JR東日本でヘッドマークを付けて走っている特急は185系だけなんです。もちろんピンバッジでも「踊り子」は一番人気なのですが、それだけでなく、その当時走っていた列車の沿線を旅していただきたいと思い、販売箇所はその列車にゆかりのあるエリアにしました。(販売リスト参照)
185系ヘッドマークピンバッジ第2弾(12月19日発売。現在は完売しています。)。各440円(税込)。
185系ヘッドマークピンバッジ第3弾(2021年2月27日発売)。「185系は高崎方面も走っていたんだよ」「「踊り子」だけじゃないんだね」なんていう親子の会話もできそうですね。
南田: ええと、僕が好きな「はまかいじ」は…松本駅と橋本駅で販売ですか!松本まで買いに行きたくなりますね。
浅見: 第1弾で、1日足らずで売れてしまった「あかぎ」と「ホームタウンとちぎ」も、熱烈なリクエストがありまして再販しています。ピンバッジを集めるために来店してくださるお客さまのために極力品切れがないようにしたいのですが…。
大内: 第3弾では特急「谷川」も発売されるんですね!私、国鉄最後の日に「谷川」を撮ったんです!当時小学生だったのですが上野駅まで行きまして(と撮影した写真のプリントアウトをみんなに見せる)。
南田: よく見ると、ピンバッジはヘッドマーク自体だけでなく枠も付いているんですね。
浅見: そうなんです!細かなところまでこだわりたくて、ビス止めしているところまで再現しました。コストは少し掛かってしまいましたけれど。台紙も車両を想定したデザインにしています。
ピンバッジの商品例。
3.おすすめグッズ&第3弾情報
2020年12月19日からはクラフトビールや銘菓とのコラボも登場
南田: ピンバッジのほかにはどんなグッズが人気でしたか?
浅見: 第1弾では、お子さまにはアクリルキーホルダーが断然人気でしたね。デザイン的に「かわいい」と好評で、パパやママにおねだりして買ってもらっていたこともあったようです。
大内: やっぱりこちらも「踊り子」が売れ筋ですか?
浅見: そうですね。ただ、大人の方は、住んでいる地域によって選んでいるように見受けられます。
南田: 思い入れのある土地や列車を選ぶんでしょうね。
浅見: 年配の方には「新幹線リレー号」も好評でした。
大内: 新幹線リレー号!1982年の東北・上越新幹線開業当初は大宮発着だったので、上野から185系の連絡専用列車が出ていた…なんていうのもだいぶ前の話になりましたね。
浅見: 「新幹線リレー号」のアクリルキーホルダーは完売してしまったのですが、第3弾のピンバッジで登場予定です。
大内: 第2弾、第3弾のおすすめを教えてください!
浅見: 実は第2弾もご好評をいただきまして、すでに完売のものがあります。一番売れたのは、方向幕ステッカーでした。
「メモリアル185」オリジナルアイテムとしては、「EXPRESS TRAIN MEMORIAL 185系 40th anniversary横濱ハーバー ダブルマロン」972円(税込)は、横浜銘菓でお子さまも食べやすいです。「185系踊り子フールセック」1296円(税込)はコロンバンとコラボしたクッキーです。大人向けには「185系記念 オリジナルクラフトビール」がありますよ。
南田: このあとのグッズも楽しみですね。
浅見: 本物志向で知識のあるお客さまにも納得いただけるグッズを制作したいと思います。第3弾グッズは2021年2月27日に発売になります。ネット限定商品もありますので、ぜひグッズページをチェックしてからお出掛けください。
新幹線リレー号。特設Webサイトから。(撮影:結解学)
※グッズ販売情報は2020年12月現在のものです。紹介商品が売り切れの場合があります
企画担当者に聞く、「185系メモリアル」プロジェクトへの思い
40年にわたって活躍してきた185系電車。引退が発表された際は、社員たちにもついに、という思いと惜別の思いが出てきたようです。座談会を終えたあと、今回のプロジェクトの企画と宣伝に携わっている、JR東日本東京支社営業部の仕明(しめい)達也さんとコロマス・エドモン一洋さんに聞きました。
写真展「メモリアル185系おもいで館」画像
1.社員からの応募殺到「メモリアル185系おもいで館」
特設Webサイトには、185系の歴史や車両解説などさまざまなコンテンツがあり、読み込んでいくと185系について楽しみながら理解できるようになっています。
中でも注目がWeb上の写真展「メモリアル185系おもいで館」。JR東日本社員による思い出の写真やエピソードが紹介されています。撮影時期や場所だけでなく、撮影者の所属が書かれていて、さまざまな部署から応募があったことがわかります。
「私たち企画担当が思っていた以上に応募があって驚きました」(仕明さん)。サイトに掲載されているのは約40点ですが、150点あまりの応募があり、絞り込むのに苦労したそうです。それだけ現場で携わっている人々にも愛された車両なのでしょう。
新特急「なすの」、スキー列車「シュプール号」に投入された「フルフル塗装」など懐かしい写真がどんどん出てくるのもさすが社員ならでは。車掌時代のエピソードなどくすっと笑ってしまうものや、ほろりとしてしまう話もありました。「入社前から乗っているという人も多かったです。特に関東では縦横無尽に走っていたのでそれだけ根付いているんですね」(仕明さん)。子どものころから185系に憧れて運転士になったという方もいるそうです。
ちなみに、仕明さんとコロマスさんは20代。仕明さんが初めて乗った185系は「ムーンライトながら」だそうで、ベテラン勢は「若い!」とびっくり。「40年というのは、私が生まれる前から走っていたということで、私のほうが年下です。それでも思い入れがあるので、デビュー当時を知っている方はより熱い思いがあるのではないでしょうか」(コロマスさん)。
ツイッターでも「#メモリアル185」「#185系おもいで館」というタグを付けて情報を発信しているほか、同じタグを付けた鉄道ファンからの投稿も多数あります。「みなさんに愛された車両なのだなと実感しました」(コロマスさん)。共有することでより気持ちが高まりそうです。
「メモリアル185系おもいで館」の写真は、首都圏の主な駅にある飲料自販機(アキュア)や駅構内ポスターなどでも掲出されています。「僕、渋谷駅で見ましたよ!」と南田さんが教えてくれました。駅で飲み物を買うときにチェックしてみて(2021年3月末まで)。
JR東日本東京支社営業部の仕明(しめい)達也さん(左)、コロマス・エドモン一洋さん(右)
JR東日本東京支社で「メモリアル185系おもいで館」のポスターを見ながら語り合う大内編集長(中央)と南田さん(右)
2.185系の占い!? 年末年始も185系企画を楽しもう
185系占い。クリックすると19種類のヘッドマークのうち、1種類と運勢が表示されます。画像は「メモリアル185」特設Webサイトより
新型コロナウイルス流行の逆風の中発表された、185系の定期列車引退。実は、この企画が検討され始めたのは、流行の兆しが出始めたころでした。担当者たちは「密にならないように列車旅を楽しんでいただきたい」ということを大前提に、どのような内容にするか、慎重に検討を進めてきました。コンテンツ制作も、185系があまりにもいろんな列車に使われていたために、当時の資料探しに苦労したそうです。185系は親子だけでなく、おじいちゃんおばあちゃんの3世代に渡って知られている貴重な車両かもしれません。
「年代や性別問わず広く知っていただけるような、息の長いイベントにしたかった」と担当者は話します。
ピンバッジラリーは自分のペースで収集ができますし、個人で動きやすいのが魅力。JR東日本の路線は、利用者減少という厳しい状況の中でも、大幅減便することなく185系を含む定期列車は当初の時刻通りに運転されています。例えば、今なら行きは「サフィール踊り子」、帰りは185系やE257系の「踊り子」などバリエーションのある楽しみ方ができます。
おうち時間を楽しむなら、なつかし写真を共有したり、グッズを通販でゲットしたり、ネットでコンテンツを楽しむ方法もあります。年末年始のお出かけが難しければ、時刻表を見ながら185系の旅プランや、ピンバッジラリーの計画を立ててみては。
12月には「185系ヘッドマーク占い」も公開されました。運勢も細かく書かれているので大人も子どもも楽しめます。吉方や金運などもあり、占い好きのママには一押しのコンテンツですよ!ちなみに、南田さんはスマホを操作しながら「うわ、これ面白い!末吉だった」、大内編集長は「凶だよ!」と盛り上がっていました。
185系の話や「185系ヘッドマーク占い」でご機嫌な大内編集長
担当者は「185系を知らない人には知ってほしい、知っている人にはより親しみを持っていただきたい。密を避けてご自分のペースでめぐり、185系も乗ってみようかと思っていただけるとうれしいです。コロナ禍が落ち着いたら列車の旅もゆっくり楽しんでいただきたい」と話してくれました。
2021年の年明け以降は、スタンプラリー、記念入場券発売、動画公開も予定されています。「るるぶKids」でも紹介していく予定ですのでお楽しみに!
今回の特集に登場してくれたみなさん
写真提供・取材協力/JR東日本東京支社
撮影/小池彩子
取材・撮影は2020年12月上旬に行いました。グッズ情報や運転情報は変更の場合がありますので、おでかけ前にご確認ください
提供元・るるぶkids
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