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日本の銀行の振り込み手数料が高いことが話題になっています。メガバンクでは、窓口での他行への振込手数料が税込990円となっており、ネットを使わないと、かなりの高負担になります(画像は三菱UFJ銀行より)。

カンボジアの銀行では、口座開設すると銀行のアプリを使ってQRコードによる無料の送金が簡単にできます。

これはカンボジアの国内であれば、別の銀行口座の他人同士の口座間でも可能です。日本のPayPayと同じ感覚で銀行口座が使えるのです。

QRコードの便利なサービスのお陰で、今やカンボジアではクレジットカードを使う人は今やほとんどおらず、お店の支払いや友人同士のお金の精算も、銀行アプリからQRコードで無料。家賃や管理費の支払いも対応可能です。

日本の銀行もネットサービスを行っていますが、使い勝手が悪く、気軽に利用することができません。

銀行だけではありません。ライドシェアもカンボジアの方が進んでいます。

グラブ(GRAB)と呼ばれるウーバー(UBER)と同じようなアプリのサービスがあり、現在地と行き先を入力すると料金が表示され、配車がすぐに完了します。

日本でも似たようなアプリがありますが、タクシー会社に繋がり通常のタクシー料金に加え配車料金が上乗せされる割高なサービスです。

カンボジアでは、乗車する車両も割安なトゥクトゥクから、一般車を使ったサービスまで複数の選択肢から選べます。

支払いはクレジットカードでもできますが、多くのカンボジア人はQRコードで行っています。現金はもはやほとんど使われません。

新しい銀行サービスにせよタクシー会社以外の車を使ったライドシェアにせよ、日本でも導入しようとすれば、技術的な問題はほとんどありません。

しかし、既存の金融機関やタクシー業者の収益性を低下させることになります。

そんな既得権益を守るために変化を妨げようとする「見えない力」が既存の利便性の低い高コストサービスを延命させているのです。