■激しい誹謗中傷と攻撃に晒される
その後はしばらく不運に見舞われることもなく、青年期のアドルフは新たな楽器の考案と製作に没頭することができ、輝かしい業績をあげることになるのだが、同業者の嫉妬と悪質な妨害を一身に浴びることになる。
1846年に特許を取得したサックスがパリで高い評価を受ける一方、自身もミュージシャンとして活躍していたのだが、同業者はアドルフの発明した楽器にケチをつけて貶めたり、悪評を流したり、特許を取り下げるように訴訟を起こしたりと激しい誹謗中傷にアドルフは苦しめられることになる。
そしてある日、アドルフの工房が不審火によって火事になり全焼したが、不幸中の幸いでその時にはアドルフは外出していたためその身に被害が及ぶことはなかった。
火事に続いて今度はアドルフが雇っていた工房のアシスタントが何者かに銃撃される事件が起きた。後から検証してみるとおそらく犯人はこのアシスタントをアドルフと見誤って撃った可能性が高いことが判明した。その後ほどなくしてアドルフは路上で暴漢に襲われて何度も殴られる暴行事件にも見舞われたのだった。

1853年から1858年にかけてアドルフは唇のがん(口唇がん)に苦しんだ。これは当時、死刑判決に等しいと考えられていた難病であり、一時は普通の食事ができなくなるほど腫瘍が大きくなったが、インドの医師に診てもらいハーブ療法を続けた末に、腫瘍は徐々に小さくなりやがては消えて奇跡的に完全回復したのだった。
ちなみに、彼の家族にも“死神”は容赦なく襲いかかっていた。アドルフの5人の子どものうち2人が幼少期に亡くなっていたのである。
どのタイミングで死んでいたとしてもおかしくないアドルフの波乱万丈の人生であったが、死神が遂に彼の命を奪ったのは1894年、アドルフが79歳の時であった。しかし、これはむしろ寿命近くまで生き延びたアドルフの勝利と言えるのかもしれない。
提供元・TOCANA
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