アップルは2025年2月28日に新たなスマートフォン「iPhone 16e」を発売。一部ではiPhone SEシリーズの後継と噂されていた廉価モデルだが、アップルは16シリーズに位置づけた。

 価格は128GBが9万9800円で、iPhone 16の同容量モデルと比較すると2万5000円安い。一方で、第3世代SEの同容量モデルと比較すると3万6000円高く、SEの後継を期待していた層はギャップを感じたのではないだろうか。

 では、iPhone 16eは実際どのくらい売れているのか。発売から7日間の初動販売数を家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で他のiPhone 16シリーズや、歴代のSEシリーズと比較した。

iPhone 16eの初週は16や第3世代SEに及ばず、発売から7日間の売上を比較
(画像=『BCN+R』より 引用)

 iPhone 16の発売初日の販売数を基に16、16 Plus、16 Pro、16 Pro Max、16eの5モデルの、発売から7日間の動向を指数化すると、16eの初日は「0.53」だった。16のほぼ半分の出足となったことが分かる。2日目は「2.07」、3日目は「3.88」と伸長したが、4日目の「4.27」から伸びは鈍化。7日目時点で「5.14」と、16とは1.82ポイント、16 Proとは1.58ポイントの差がついた。

iPhone 16eの初週は16や第3世代SEに及ばず、発売から7日間の売上を比較
(画像=『BCN+R』より 引用)

 次にiPhone SE(1st)の発売初日の販売数を基に、SE(1st)、SE(2nd)、SE(3rd)、16eの4モデルの、発売から7日間の動向を指数化した。すると、初日は「0.37」と過去のSEシリーズ全てを下回る出足だったが、3日目には「2.68」となり、1st、2ndの両機種を上回った。その後、6日目に2ndが大きく数値を伸ばす一方、16eは1stや3rdに近い緩やかな推移となり、7日目時点の指数は「3.54」となった。

 以上の動向から、iPhone 16eの初動は、16や過去のSEシリーズと比較して、やや精彩を欠く動きだったと言える。その要因は、やはり価格が大きいと考えられる。カメラをはじめとした機能面で上位に位置する16との価格差が小さく、比較検討した末に16を購入するユーザーも一定数存在するだろう。

 一方で、過去のSEのようなお手頃さを期待していたユーザーにとっては高く感じるという、どちらの層にとっても手を出しにくいポジションになってしまっている。

 ただし、iPhone 16eは廉価モデルながらアップルの最新チップ「A18」を搭載する強みがある。同社が提供するAI「Apple Intelligence」に対応。今春に日本語対応が予定されており、その評判によってはAIが使用できる最も安いiPhoneとして販売が加速する可能性がある。

■BCN総研・筧 采斗(かけい さいと)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースです。

提供元・BCN+R

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