
J1のサンフレッチェ広島は3月21日、AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)で受けた懲罰処分についての概要および再発防止策を発表した。
広島は、5日に行われたACL2ノックアウトステージ準々決勝第1戦の対ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)戦において、出場資格のないFWヴァレール・ジェルマンを起用したことにより、試合は没収(0-3での敗戦扱い)とされ、罰金および報酬の一部不支給を含む処分が科されていた。
クラブ公式サイトの発表によると、ジェルマンは広島に移籍前のオーストラリアリーグのAリーグ・メンで2試合の出場停止処分を科された状態だった。移籍先の日本において消化が必要である旨が、日本サッカー協会(JFA)宛にオーストラリア側から通知されたが、クラブ側がJリーグに照会した結果「本件出場停止処分の消化は国内リーグのみに適用されるため、ACL2に影響がない」とのことだったようだ。
さらに、試合前日の資料や当日の運営でもアジアサッカー連盟(AFC)からの出場停止に関する指摘はなく、違反が正式に通知されたのは試合翌日の6日だった。出場停止処分は退場ではなく試合後の行為によるものだったため、公式記録に残っていなかったことも誤認の一因となった。
情報伝達の不備に翻弄された形の広島だが、信頼回復のため社内処分として代表取締役社長・久保雅義氏の報酬6か月自主返納のほか、強化本部長と強化部長に対する減給処分を発表している。
一連の発表を受け、サポーターの間では「AFCの管理体制に問題があるのでは」「Jリーグの立場も曖昧すぎる」といった批判が広がった。「人的ミスは避けられないからこそ一元的なデジタル管理を」といった意見も挙がり、今回の処分が単なるクラブの確認ミスではなく、制度的な課題を浮き彫りにしたとの見方が共有されつつある。再発防止策が示されたものの、「これではまた同じことが起こるのでは」との不安も残っている。