9歳の少年はブッダの生まれ変わりなのか――。タイ当局は少年の両親が運営するカルト教団の活動を禁じた。
■9歳少年をブッダの転生とする教団に活動禁止措置
タイ当局は先日、9歳の少年をブッダの生まれ変わりであると標榜するカルト教団「マインドコネクション」に対してさらなる措置を講じている。
スラタニ少年家庭裁判所は2024年8月、ノン・ニース(Nong Nice)少年が伝えたとされる歪んだ仏教の教えの普及をやめるよう彼の両親である夫婦に命じた。
夫婦が運営する教団はニース君はブッダの生まれ変わりでテレパシー能力があると主張しているのだが、当局は教団の活動を禁止し、ニース君を精神科医の診察に連れて行くよう命じたのである。
ニース君の両親はSNSのライブ配信を含むさまざまなメディアを利用して、主流仏教の経典に反する教義を広め、私利私欲のために子供を利用していたとされている。こうしたことから当局によって少年の説教や画像が公開されないように禁止措置が取られた。
昨年の判決当時、少年の懲りない母親はフェイスブックのページに、息子が6カ月以内に説教を再開すると投稿していた。
「6カ月後には、ブッダの教えに沿った形で仏法の修行と智慧の向上が行われ、精神が高められるでしょう」(投稿より)
そして実際に少年の説教が再開された可能性があるようだ。
「サンティ・プラチャ・ダンマ・クラブ」の会長で元民主党議員のタンクン・ジット・イツァラ氏が先日、物議を醸しているこのスピリチュアル団体が活動を行っている証拠を「テクノロジー犯罪対策局(TCSD)」に提出したのだ。

証拠の中にはたとえば、最近の宗教儀式中に成人信者が少年に敬意を表している写真があった。同氏は禁止された配信が最近再び増加しており、裁判所の差し止め命令に違反する可能性があると指摘している。
タンクン氏はまた、3月7日にフェイスブックで少年とカルト教団への支持を表明した有名女優についても捜査するよう警察に要請している。同氏はこの女優がそのような投稿を複数回行ったことで、刑法第86条に定める違法行為の幇助、支援、寄与に関与した疑いがかけられる可能性があり、さらに児童福祉法にも違反していると指摘した。
タンクン氏は「社会開発・人間安全保障省」と「国家仏教局(NOB)」にも苦情を申し立て、証拠を提出したと話している。
チベット仏教では生まれ変わり(輪廻転生)が信じられており、ダライ・ラマをはじめ200人程度が生まれ変わりによって高僧に認定されている実態がある。仏教国のタイでも輪廻転生を信じる者は少なくはないと思われるが、生まれ変わりがカルトに利用されてすぐに社会問題化するのは健全と言えるのだろう。
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
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