これは、まさに愛子さまに陛下が期待しながら、三年間まったく通学されず、また、四回生のときも限定的な活動に留まったことで実現できなかったものだ。陛下の記者会見のなかでの関連発言を比較してみよう。

令和2年には、大学全体で対面講義がなかったなかで、愛子さまがオリエンテーションのために井戸だけ登校されたことを踏まえ、「大学では新しい知識を得たときに感じられる喜びを大切にしながら,様々なことに取り組んでいければと思っています」と春からの登校に期待を語られていた。

ところが、二回生になって対面講義が始まっても愛子さまは登校されず、令和3年の記者会見では、「私自身の大学生活を振り返ってみますと,気が付けばもう40年くらいも前になりますが,大学では様々な人たちと顔を合わせて授業を受けたり,放課後の部活動で一緒に参加したり,見ず知らずの人と学生食堂で隣り合ったり,新しい発見と経験の連続であったように思います。そういう意味でも,愛子には,感染症が落ち着いて,いつの日かキャンパスに足を運べるようになると良いなとは思います」と語られた。

三回生になっても登校されることはなく、秋に展覧会見学と図書館訪問と二度だけ登校されただけだったことを踏まえ、「今年度も、新型コロナウイルス感染症の影響により、授業はほぼ全てオンラインでの出席となりました。演習の授業での発表や、授業の課題に日々取り組むなど、大学での勉学に一生懸命励んでいます。早いもので、この4月から愛子も4年生になります。新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着いて、キャンパスに足を運べるようになり、これまで以上に広い経験を積んでくれればと思っています」と語られた。

四回生が終わり卒業が近づいたときには、「今年度からは大学のキャンパスに足を運べるようになりました」「先生方やお友達と一緒に、楽しく充実した学生生活を送っているように思います」「教養科目や他の学科の授業、例えば、日本史、東洋史、日本の伝統芸能や福祉などの講義を聴き(四回生だが下級生の講義を聞かれることもあった)」「先生方やお友達と直じかにお話ししたり、一緒に運動ができた」「キャンパス内の様々な場所を探索できた」と仰っていた。