テスラやスペースXを率いるイーロン・マスク氏が、世界のエネルギー供給に関する重大な警告を発した。カリフォルニアで開催されたカンファレンスで、マスクは「近い将来、世界の電力需要が供給能力を超える可能性がある」と発言。電気自動車や再生可能エネルギーの急速な普及が、すでに限界に近い電力インフラに大きな負担をかけているというのだ。

■電力不足が引き起こす経済の混乱

 マスク氏によれば、もし今すべての交通手段が電動化された場合、世界の電力需要は現在の2倍に達する。しかし、各国のインフラはこの急増に対応できる状態ではない。再生可能エネルギーへの投資は進んでいるものの、まだ十分な規模で整備されていないのが現状だ。

 電力供給が逼迫すれば、最も影響を受けるのはエネルギーを大量に消費する産業だ。製造業やIT産業はコスト増に直面し、家庭でも電気料金の高騰が避けられない。特に化石燃料に依存する国々では、移行の遅れが深刻なエネルギー危機を引き起こす可能性がある。