運ばれた先の病院のスタッフ23人をすぐさま中毒症状に陥らせた“有毒女性”がアメリカで報告されている。いったい何が起きたのか――。

■医療スタッフ23人が治療室でガス中毒に

「ニューヨークタイムズ」の記事によると、1994年2月19日の夕方、グロリア・ラミレスさんという31歳の女性が吐き気と呼吸困難を訴えて救急車で病院に急送された。

 米カリフォルニア州の「リバーサイド総合病院」に運ばれた彼女は実は6週間前の診断で末期の子宮頸がんであることが判明していた。

 意識が遠のいていたラミレスさんはすぐに集中治療室に運ばれ、まず血液検査のためにスタッフによって採血が行われた。

【未解決】“毒を放つ女性”の真相は? 医療スタッフ23人を中毒に陥れた前代未聞の事件!血液から刺激臭…
(画像=画像は「LADbible」より、『TOCANA』より 引用)

医療スタッフによるとラミレスさんから血液を採取した際、注射器から強い刺激臭がしたという。

 報告書によると、当時救急室の担当医だったウンベルト・オチョア医師は、血液サンプルの中に白い結晶のような物体が含まれているように見えたと話している。

 また別のスタッフによると、彼女は「アンモニアのような臭いのするガス」を発していたという。

 この後、治療室にいたスタッフ数人がめまいを感じはじめ、悪臭を放つガスのせいで実際に床に倒れ込んだ者もいた。

 1995年の別の報告書では37人の医療専門家のうち23人が、致死性の有機リン中毒に似た症状を発症したとされている。「ニューヨークタイムズ」の記事によると、スタッフの1人が急性循環器疾患を発症し1週間の入院が必要になったという。

 スタッフらの体調が悪化したため、治療を中断し集中治療室からいったん退避することを余儀なくされた。

 医師とスタッフは駐車場に避難してラミレスさんを治療せざるを得なかった。しかしその甲斐なくほどなくしてラミレスさんの死亡が確認されることになる。

 当時、ラミレスさんの奇妙な一件は注目を集めたが、いわゆる「有毒な女性」がどのようにして死亡したのか結論づけた人はいない。

 広く受け入れられている説の1つは、ラミレスさんが服用していた抗がん剤が連鎖反応を引き起こし、有毒ガスを発生させた可能性があるというもので、リバーサイドの検死局もこの説を支持しているという。しかしこの化学反応説に懐疑的な化学者もいるということだ。

 地方、州、連邦の10の組織の医療の専門家が調査しているにもかかわらず、原因は今もわかっていない。その後も似たようなケースは起きていないことから謎は深まるばかりである。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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