仮にロシア有利の内容で講和の基本方針が決まった場合、欧州はアメリカに対して強烈な不満感を抱くでしょう。既にバンス副大統領がドイツでの会議において欧州批判を好き放題したことに対して報道の一部には「前向きな刺激」と指摘するものもありましたが、実態は「ふざけんじゃねぇ」という反米の動きが当然出てくると思います。
仮にこの基本トーンの下で講和となれば世界はバラバラになる、そしてアメリカはディールで勝った気でいるけれど実は大変な目に見えない損失を抱えることになるかもしれません。
トランプ氏とプーチン氏が来週中に会談するかという議論について「それはない」とロシアの外交報道官が述べていますが、私は来週かどうかはともかく非常に近いうちに会談するであろうとみています。それは時間がたてばたつほど外野の声が入り込み、話が複雑になるため、さっさと結論付ける、これがディールを成功裏に収める勝利の方程式だからです。
今置かれている状況は山道で分かれ道に遭遇したところでトランプ氏は直感で下りの歩きやすそうな道を迷わず選びつつある、そんな感じがします。さてそれがどういう結果になるのか、我々は傍観をする以外に方法がなさそうです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年2月20日の記事より転載させていただきました。