ガザでの戦争により、多くの人がこの問題に興味を持ち出しているので、テロリストや過激派がこの話題を悪用している。インフルエンサーは、特に若者を感情的にし、道具化し、最終的に「フィルターバブル」という現象の世界に陥らせる。

「フィルターバブル現象」とは、自分の見たい情報以外をインターネットで見ることができなくなり、自分の観点に合わない情報から隔離され、同じ意見を持つ人間同士で群れ集まるようになることだ。インターネットの検索サイトが提供するアルゴリズムが、各ユーザーが見たくないような情報を遮断するため、自分が見たい情報しか見なくなる状況にいつの間にか陥るわけだ。

IT専門家によると、「フィルターバブル」に陥ることはこれまで以上に簡単だという。「最近の若者がプラットフォームをノンストップで利用しているのを見れば、フィルターバブル現象がどれほど起きやすいか想像できる」という。

ノイマン教授は「過激化が加速しているので、治安当局も迅速に対応しなければならない」という。具体的には、オンラインで過激なコンテンツを発信するインフルエンサーを追放し、プラットフォームの閉鎖などが考えられる。

オーストリアのカルナー内相はシリア人やアフガニスタン人の亡命希望者の一斉検査、メッセンジャー監視などを検討しているが、個人情報の保護、人権擁護といったハードルがあるため、実行するには乗り越えなければならない問題があるのが現状だ。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年2月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。