では、出版コンテストの望ましい形とはどのようなものでしょうか。一つの案として、投票だけでなく専門家による審査を導入することが考えられます。専門家の視点を加えることで、企画の質を高め、真に価値ある作品が選ばれる確率が高まります。
また、参加者が自身の企画をより深く理解し、成長できるようなフィードバックを提供する仕組みも重要です。例えば、予選通過者には編集者のフィードバックや添削サービスを提供し、最終審査進出者には次回コンテストでのシード権を付与するなどの付加価値が考えられます。
出版コンテストは、単なる人気投票ではなく、真に優れた作品を発掘し、育成するための場であることが理想的です。出版業界の発展と読書文化の振興を目指し、コンテストの在り方について真剣に考えることが求められているからです。
出版コンテストが読者にとっても魅力的なものとなり、読書文化の促進に繋がることを期待しています。読者に感動や気づきを与える一冊が誕生しますように。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)