■27年前、両親から持たされた思い出の電話
母との最後の思い出について、水本さんは「2023年に、母が他界しました。しかし私自身が連絡不精ということや、様々な事情が重なり、最後の見送りをできないまま荼毘に伏され、葬儀なども終えた後に『急逝した』との連絡を受けました」と振り返る。
自身にとっては全くの「寝耳に水」の報せであって、整理がつかないままの母の訃報を受けたこともあり、死に目に会えなかったモヤモヤした感覚を、ずっと抱えていたという。
今回投稿した電話の詳細について、水本さんは「大学進学で一人暮らしを始める際に両親から持たされた家財道具のひとつで、27年前の物になります」「現在の家に引っ越してからは家の固定電話は繋いであるだけで使うことなく、20年以上放置していましたが、昨年夏頃に模様替えの際に取り外して押入れで保管していました」と説明する。
そして2025年に入り、断捨離整理の際にふと気になって留守録を再生してみた…というくだりが、今回のエピソードへと繋がるのだ。
当時の様子について、水本さんは「電話機も年代物で劣化しているため、電源を入れて10分ほどは再起動を繰り返したり、再生音もノイズまみれでしたが、次第に正常動作するようになり、7件目に入っていた母の声が聞けました」と、振り返っている。