■50年前の「炊飯事情」に驚き…
さて、そもそもなぜ昔の炊飯では「米の30分以上の浸水」が必要だったのだろうか。こちらの理由と併せ、タイガー魔法瓶に炊飯ジャーの進化について尋ねてみることに。
その歴史について、タイガー魔法瓶の担当者は「当社の電気ジャー第1号『炊きたて』が誕生したのは今から50年以上も前、1970年(昭和45年)のことです」と、振り返る。

(画像=『Sirabee』より引用)
「電気で加熱保温するジャー」は当時の人々にとって革命的な存在で、念願であった「炊きたてのご飯」を30時間もの間、味わえるようになったのだ。

(画像=『Sirabee』より引用)
その勢いのまま、翌71年(昭和46年)には半導体とヒーターを組み合わせた「電子ジャー」が誕生。
72年(昭和47年)には、ご飯が飯器にこびりつかず、くっ付いても簡単に洗い流せるスミフロン加工(フッ素加工)の飯器(炊いたご飯を運ぶ際などに用いる器)を採用している。

(画像=『Sirabee』より引用)
そしてついに74年(昭和49年)、全日本人待望となる同社の「炊飯ジャー第1号」が誕生。それまでは、ご飯を炊いて保管するには「かまど」か「電気釜」に加えて「電子ジャー」と、一家に2台の器具が必要であった。
しかし炊飯ジャーは、電子ジャーの「保温機能」に電気炊飯器の「炊飯機能」をプラスした「1台2役」を実現させたのだ。4年前の「電気ジャー」の時点で革命的だったのだから、米好きの日本人がこの発明にどれほど歓喜したかは、想像に難くない。
タイガー魔法瓶の担当者は「炊飯ジャーの登場により、1台で炊飯と保温ができるようになりました。台所の場所を取らず、釜を洗ったりご飯をジャーに移したりする家事の負担も減りました。当時の主婦の方々に喜ばれたそうです」と、笑顔で振り返っている。
そしてその7年後、炊飯ジャーにはさらなるイノベーションが発生するのだった…。