
オランダ1部のフェイエノールトが、3月16日に行われたアウェイでのトゥウェンテとの試合で6-2の大勝を収めた。この試合で最も目立ったのは、フェイエノールトのDFジヴァイロ・リード、FWイゴール・パイシャオン、そしてFW上田綺世の3人だった。
特に上田は2023年のフェイエノールト加入後からこれまで適応に苦しんでいた印象だ。1月にミラン(イタリア)に移籍したFWサンティアゴ・ヒメネスの控えに甘んじる時間が長かった。しかし、この試合では2ゴールを挙げ、ボールを持った際のプレーでも評価を高めた。
オランダのサッカー専門のテレビ番組『Studio Voetbal』で、元選手で解説者を務めるテオ・ヤンセン氏(2014年引退)は「上田はゴール前に向かう意欲を持ち、ライン間でも起点となるプレーを見せた。技術的に優れ、ゴールを決めるだけでなく連携プレーでも貢献できる」と絶賛。試合を通じて、チームメイトとの連携も改善され、相手の守備を崩す動きが増えていたことを指摘した。
さらにヤンセン氏は「上田は今、ファン・ペルシー監督の指導を受けられる環境にある。この偉大な元ストライカーの下で学べることが、上田にとって非常に大きな意味を持つはずだ」と語った。また、ファン・ペルシー監督自身も上田を高く評価しており、信頼を明言しているようだ。
元フェイエノールト(2001-2003、2006-2007)の選手であるピエール・ファン・ホーイドンク氏(2007年引退)は同番組で「ヒメネスがいなくなったことで、上田は“新たなナンバーワン”であることを自覚しているはずだ。競争があまりに接近していると、逆にお互いを弱めることもある。その点で、少し差があったほうがいい」と語った。
また、ヤンセン氏は「ポテンシャルという観点から、上田とヒメネスを比べたときどちらが上か?正直、確信は持てない。上田はそれほどヒメネスと変わらないポテンシャルを持っている。上田のほうが総合的にプレーに絡めるし、動きの質も高い。スピードも若干上回っている」と評価し、成長の可能性を強調した。