人物というのは、その人の生き方に依るものです。外見での人物判断には必ず失敗があります。孔子でさえ澹台滅明(たんだいめつめい)という人物が入門して来た時、余りにも容貌が醜かったため「大した男ではなかろう」と思っていたら、実は大人物であったという失敗談が『論語』にもある位です。粋であろうがなかろうが、我々は常々その人の内面を見て人物を評価して行く、といったことが必要であります。バランスを取ることが非常に大事である、とは『論語』に一貫して流れる孔子の教えです。内外両面バランス良く備わってはじめて一種の人間的魅力を有し、人物になって行くのだろうと思います。正に、文質彬彬(ぶんしつひんぴん)であることが求められるのです。
編集部より:この記事は、「北尾吉孝日記」2025年3月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。