東京23区をはじめ、都市部では「車がなくても生活できる」と考える人が多くいます。たしかに公共交通機関が発達しており、カーシェアやレンタカーの拠点も充実したエリアでは、あえて維持費のかかるマイカーに乗る必要性は薄いでしょう。
しかしいざマイカーを所有してみると、「こんなに便利だったのか!」と驚く人も少なくないようです。今回は、「カーシェアで十分だと思っていたのに、実際に車を買ったら想像以上に便利だった」という都内在住の人たちのエピソードを紹介します。
子どもの野球チーム、「送られ役」ばかりで申し訳なく…

子どものいる世帯では、成長とともに「習いごとやクラブ活動の送迎」という新たな課題が出てきます。とくに送迎が必須のスポーツチームに所属すると、「マイカーがないと不便」と感じる場面も増えてくるでしょう。
「以前から夫婦とも車をもったことがなくて、子どもが生まれてからもあまり必要性を感じなかったんです。駅から徒歩5分のマンションを買ったので、徒歩圏内で必要なものは揃いますし、保育園もすぐそばだったので。
でも、子どもが少年野球のチームに入ってから、ちょっと話が変わってきて……。練習場所までは自転車で行けるんですけど、試合があると会場まで他の親御さんの手を借りるようになるじゃないですか。
送迎のたび大きい車をもっている方のお世話になっているうち、申し訳なくなっていって。とくに私と夫が2人で見に行こうとすると、それだけ席を占めてしまうわけなので……。それならいっそ、自分たちも車を買おうという話になったんです。
中古でヴォクシーを買って、最初は怖かったですけど、慣れてからは自分たちも貢献する側に回れて。自分が運転する車で息子やチームメイトがワイワイ楽しんでいるのを見ると、買ってよかったなと思いますね。
生活の面でも、天気を気にせず色んなところに行けますし、『こんなところにこんな施設があったのか』みたいな発見もあり、可能性が広がった感じがします。なので野球の送迎が必要なくなっても、車は維持していたいですね」(40代女性)
もちろん環境によっては、車がなくても特段不便のない習いごともあるでしょう。一方で、チームスポーツなど集団での移動が多く、かつ「周囲がみんな車をもっている」といった状況では、車がないことによって気を使うケースも出てくるのかもしれません。
もらい事故なのに、俺が払うの…?

カーシェアやレンタカーは維持費がかからない一方で、「事故やトラブルが発生した際の負担」について十分に理解しておく必要があります。
事故で車両が使えなくなった場合の営業補償(NOC:ノンオペレーションチャージ)や保険の免責分、あるいはパンク時のタイヤ代など、トラブルの際に「自分が負担するの?」と驚いてしまう人もいるでしょう。
「ずっと中央線や東西線が使えるエリアで暮らしてきたので、人生のなかで『車が欲しい』と感じる瞬間はほとんどなかったんですよね。
ただ小旅行が好きなので、月に2回くらいレンタカーを借りてぶらっと出かけることがあって。最近はそこそこお金に余裕が出てきたので、自分の車を買ってもいいのかな、とは思っていました。
でもまぁ、使う頻度を考えればレンタカーの方が全然安いですし、それなら投資にお金を回した方がいいなと、購入には至っていなかったんですけど……。
あるときレンタカーを借りて走行中、信号待ちでもらい事故に遭ってしまったんですよね。わき見運転の車に追突された形で、こちらにまったく非はありませんでした。
どうにか自走で帰ったのですが、返却時に営業補償や保険の免責分といった名目で、7万円くらいの支払いが発生してしまって。そこで何というか、自分の車じゃないのに、無過失の事故の責任を取らなきゃいけないことが理不尽に感じて。
腹が立っていたこともあり、いっそ自分の車を買ってしまおうと、その翌週にマツダ3を契約したんですよ。
買ってみるとめちゃくちゃ快適で、『いつでも好きなところに行ける』という精神的な自由さは想像以上でした。毎週どこかしらに出かけているので、1年で2万キロ以上走って……。ライフスタイルがまるまる変わった感覚がありますね」(30代男性)
カーシェアを利用する際の出発手続きは簡単ではありますが、「いつでも好きに乗れる」という点ではやはりマイカーに分があると考えられます。「とくに用事はないけど、なんとなくドライブ」という使い方も魅力的ですね。
なお多くのレンタカーやカーシェア会社では、事故やトラブル時の追加支払い分を免除するためのオプション補償もあるので、利用時には検討するとよいでしょう。一方で、こうした「契約面の誤解」に煩わされない点は、マイカーの大きなメリットかもしれません。
いつの間にかマイカーと同じくらいの費用に

レンタカーやカーシェアは税金や駐車場、車検といった維持費を気にしなくてよい一方で、利用頻度が高くなるほど費用面のメリットが薄くなっていきます。たまの旅行や遠出だけであれば、たしかにお得ですが……。
「5年ほど前にフリーランスとして独立し、基本的に在宅で作業をするようになりました。ちょうどコロナ禍まっただ中で、取引先との商談なんかもオンラインで済まされることが多くて、車どころか外出する必要もあまりなかったんですよね。
ただ月に2~3回は郊外のクライアントと直接商談する機会があったので、そのときだけカーシェアを使って、費用を抑えていたんですよ。でもコロナが収束ムードになっていくとともに、少しずつ直接商談に出向く機会が増えていって。
気づけば月に7~8回、カーシェアを利用するようになりました。結構金銭的な負担が増えてきたので、一度利用料を計算してみたら、コンパクトカーの維持費と同じくらいになっていたんですよね。
それならもう、空き状況なんかを気にせず使えるマイカーの方がいいなと思い、中古でアクアを買ったんです。実際に車をもってみると、いつでも乗れる安心感もありますし、生活面でも『少し離れた安いスーパーに行く』みたいなことができるので、車って便利だなぁと思いますよ」(40代男性)
このように、仕事や家庭環境の変化がマイカー購入のきっかけになるケースは多いと考えられます。それまであまり必要性を感じていなかったとしても、いざ使ってみて「生活が激変した」という人は少なくないのでしょう。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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