店員の安全が最優先
コンビニ店舗が被る万引き被害はどれほどなのか。元ローソン・バイヤーで消費経済アナリストの渡辺広明氏はいう。
「以前はコンビニでの万引きの約9割は『内引き』と呼ばれる内部不正、つまり店員によるものだといわれ、顧客など外部によるものは少なかったです。店舗内には多くの監視カメラが設置されており、金額的にも少額の商品が大半のため、他の形態の小売店と比較すると万引き犯のターゲットになりにくいという面があるのかもしれません」
万引きは窃盗罪に該当する立派な犯罪であり、刑法では10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処すると定められている。一般的にコンビニチェーンの本部は店舗に対し、万引き犯に遭遇した場合はどのような対応を取るよう指導しているのか。
「店員が犯人を捕まえようとするとケガを負うリスクがあるため、店員の安全を最優先に考え、基本的には追いかけたりしないように指導していると思います。レジに備えられている犯人追跡用のカラーボールも、投げつけて反撃を受ける危険もあるので、積極的に使用するようには指導していないのではないでしょうか。レジの金銭を強盗されるような犯罪でも、わずか数万円のために店員の身を危険にさらすわけにはいかないので、基本的には抵抗しないという対処になります。一般的に店舗は強盗被害については保険をかけていることも、こうした対処が取られる理由としてはあるかもしれません。
また、特定の店舗で常習的に万引きを行う犯人がいる場合には、警察と連携しつつ店員の間で情報を共有しながら、来店時に警戒したり、監視カメラをチェックしたりして逮捕につなげるといった対応になるでしょう」(渡辺氏)
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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