そしてクルレンツィスが指揮台に立ち、小太鼓の音が聴こえ始める。

前半はほぼほぼ手を動かさず、ドライヴ。くー、横から観たかった。顔見える席を買っていたのに、後ろの子供達があまりにうるさくて、係員にお願いして席を変えてもらい、後半は正面から聴くことになっちゃって残念。

まるでベジャールの”ボレロ”の踊りのように、ほぼ動かないところから後半にかけて少しずつ手や腕、腰の動きが大きくなる。長い手足と首、背の高さ、肩の低さ、胸の張りという持ち前の体型、そして衣装効果もあって、まるでバレエを舞っているかのよう。その動きがあまりにも美しく、下手なオペラ座ダンサーが踊る”ボレロ”より、よっぽど視線持っていかれる。後ろ姿でなお観客を魅了する、やっぱり彼は教祖。

演奏自体は、それなりにきちんとよい、でも期待していた悪魔性&異端性は少ない。

今度は違うオケ(新しいオケ作ったんだっけ?)で聴きたいな。来シーズンもパリに来てくれますように。

1月、オペラ座でオペラ振るけど、今夜の演奏会は、その準備かな。

※ 2021年12月、クルレンツィス&ムジカエテルナ演奏会の様子はこちらです。

編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々6」2024年12月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々6」をご覧ください。