与野党から「耳を疑う」、「繰り返す予算修正への陳謝を考えると、タイミングが悪すぎる」、「首相の政権運営に対する不満が鬱積している」、「企業・団体献金についても話し合っている時期なのだ」、「首相の職を続けるのは難しいのではないか」などの声が上がっています。

政治家個人の政治活動に対する寄付(金銭など)を禁止している政治資金規正法との関係では、グレーゾーンの要素があっても、石破首相の政治感覚の悪さは否定のしようがない。悪質さから言えば、4つの事件で起訴を受けているトランプ氏のほうがずっと上でしょう。悪質なトランプ氏は危機をしのぎ、皇帝然と振る舞い、石破氏は軽犯罪みたいな行動で墓穴を掘る。あまりにもばかばかしい日本です。

石破氏の場合は、度重なる政策運営の不手際に、今回の初歩的なミステークが重なり、首相の政治運営能力の低さは悲劇的ということになりました。世論にも火が付き、維新の会や国民民主党も自民党と距離を置くことになるでしょう。一気に政局は流動化し、混乱状態に陥ります。与野党の中道勢力が連立を組もうとする動きも絶えることになります。

さらに困ったことは、石破首相は辞任した場合でも、自公政権の支持率の低下は必至で、参院選はまた惨敗するかもしれません。少数与党のまま、新しい首相に首をすげかえたところで、その寿命は短いかもしれない。そんな時に名乗り出る強力な首相候補はいるのでしょうか。世襲政治を繰り返してきたからこういうことになるともいえます。

編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2025年3月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。