現在一部店舗に限定されていたUber Eats(ウーバーイーツ)の買い物代行サービスが、全国で展開されることになった。すでにウーバーイーツでは飲食店の料理に加えて、スーパーなどの小売店の商品も配達しており、昨年6月からは配達員が店舗内での商品のピッキングと会計、配達を行うPPP(ピック・パック・ペイ)の提供を開始。ウーバーイーツジャパン代表の中川晋太郎氏は「PPPが、高齢者や自由に外出できない方々を中心に、食料品の購入に不便・苦労を感じる方々が増加している『食料品アクセス問題』解決の一助となれば幸いです」とその意義を説明していた。これまでは首都圏のイオン系のミニスーパー「まいばすけっと」の一部店舗で導入されていたが、全国に拡大する。ウーバーイーツジャパンはBusiness Journalの取材に対し「個人のユーザーが買い物代行を依頼するのではなく、あくまでPPPを導入されたUber Eats加盟店の店内スタッフに代わり、上記の作業を請け負うサービスです」と説明する。店舗側にとってのメリットは何か。また、PPPに対応する配達員が得る報酬は、料理配達の報酬と同じ水準なのか。詳細を追ってみたい。

 フードデリバリーサービスが大きく普及するエンジン役となったウーバーイーツが国内でサービスを開始したのは2016年。その翌年には出前館もサービスを開始し、現在ではWolt(ウォルト)、menu(メニュー)など競合サービスも存在感を示しつつある。Web行動ログ分析ツール「Dockpit」を手掛けるマーケティング調査企業・ヴァリューズが運営するサイト「マナミナ」記事(2024年7月3日付)によると、23年6月~24年5月の1年間のウーバーイーツのアプリユーザー数は約1550万人。いまや社会インフラの一つになったといえる。

 そんなウーバーイーツは料理のみならず、スーパーなどの小売店の商品も配達しているが、デリバリー注文商品のピック作業などを担当する人員を確保できない小売店も少なくなく、その課題を解消するため、ウーバーイーツは配達員が商品のピッキングなどを店舗スタッフの代わりに担うPPPを導入。まずは昨年6月に東京23区、横浜市、川崎市の20店の「まいばすけっと」にPPPを導入し、導入店舗を拡大させてきた。具体的には、以下の機能を配達員向けに実装していた。

・商品のバーコードをアプリで読み取り、正しい商品か確認する機能
・商品欠品の際、代替商品を注文者とアプリ上で確認できるチャット機能
・配達パートナーが決済時に使用する、PPP支払い専用のデジタルカード
・PPPを始める配達パートナー向け案内機能
・店内の商品位置をアプリ上で確認できる商品棚情報連携機能

ピック作業などを店舗スタッフの代わりに担う

 店舗側にとってのメリットとしては、どのようなことが想定されるのか。ウーバーイーツジャパンはいう。

「スーパーマーケットやドラッグストアなどの食品・日用品を扱う小売店舗でのUber Eats導入が進む中、一部の店舗ではデリバリー注文商品の店内ピック作業などを担当する人員が確保できず、Uber Eatsの導入に踏み切れない等の課題があります。PPPを通じて、配達パートナーが商品のピック作業などを店舗スタッフの代わりに担うことで、加盟店はUber Eatsを導入しやすくなります」

 飲食店の料理の配達員が、小売店のPPPの配達も行うかたちになるのか。それとも配達員は区別されるかたちなのか。

「Uber Eatsの配達パートナーは、飲食店、小売店どちらのタイプの加盟店でも配達を行います。一方、PPPの配達依頼を受けるには、配達パートナーの事前登録が必要となります。」(同)

 配達員が会計も行うとのことだが、どのような形で行うのか。

「上記の事前登録において、PPP会計専用のデジタルカードが配達パートナーのスマートフォン向けに発行されます。配達パートナーは、このデジタルカードを用いてPPPの決済を行います」(同)

 PPPに対応する配達員は、飲食店の料理の配達よりも作業プロセスが多いと考えられるが、報酬は飲食店の料理の配達と同じ基準・水準なのか。

「PPP配達では、通常の配達に加えて追加の報酬が支払われます」(同)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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