
スタイリングは欧州車感覚。使い勝手抜群の5ナンバーミニバン
トヨタ・シエンタ・ハイブリッドZ(FF) 価格:THS 291万円
総合評価/74点
CDテストモード燃費/29.8km/リッター

スタイリングは欧州車感覚。ボディサイズは5ナンバー規格に収まる全長×全幅×全高4260×1695×1695mm。「このサイズがいい」というユーザーは少なくない。
インテリアはソファのような生地のシートをはじめ、質感がすいぶんとアップした。いたるところに収納スペースが配されているのも魅力だ。新型は車体形状の絞り込みを小さくしている。その効果で着座すると、とくに2列目の余裕が増していることがわかる。3列目シートは想像するよりも広くて使いやすい。

走りは、いい意味で自己主張が弱い。全般的にスムーズで静かだ。売れ筋のハイブリッドは、最新のトヨタ車らしく瞬発力があり力強い。発進時に無意識にアクセルを踏み込むと、体がシートに押し付けられるほど。走行モードでエコを選んでもモーターの強みで出足はまずまず力強く、ストレスは感じない。
駆動バッテリーは、アクアが採用したバイポーラ型ではない。開発陣に聞くと、「従来型のほうが、コストやサイズ面でシエンタに適するから」だという。燃費は優秀。テストモードではカタログ値の28.2km/リッターを上回る29.8km/リッターをサラリとマークした。実用燃費は素晴らしい。


スッキリとしたステアリングフィールも好印象。ミニバンというより、ヤリスなどのコンパクトカーと同じ感覚で乗れる。それでいて車内は圧倒的に広いのだ。このあたりは、シエンタを積極的に選ぶ理由になりそうだ。
インフォテイメント系や運転支援系装備も、このクラスでこれ以上はないほど充実している。シエンタはストレスを感じさせない、愛すべき万能コンパクトミニバンである。
Brief Comment

このサイズのミニバンで、これほど完成度の高いクルマは他にない。車内の作りはよく、利便性は抜群。安っぽさも感じない。車重が重く車高が高いから、もたついてぐらつくと思っていたが、実に気持ちよく自然に走る。実走燃費も良好で驚いた。他のヤリス系BROS車とは、クルマの作り込みがひと味違う。先進装備が満載されているのも大きな魅力。新型は誰からも愛されるキャラクターの持ち主。実力は極めて高い。
トヨタ・シエンタ主要諸元
グレード=ハイブリッドZ(FF)
価格=THS 291万円
全長×全幅×全高=4260×1695×1695mm
ホイールベース=2750mm
車重=1370kg
エンジン=1.5リッター直3DOHC12V
エンジン最高出力/トルク=67kW(91ps)/120Nm(12.2kgm)
モーター最高出力/トルク=59kW(80ps)/141Nm(14.4kgm)
WLTCモード燃費=28.2km/リッター
駆動方式=FF
フォトギャラリー
















提供元・CAR and DRIVER
【関連記事】
・「新世代日産」e-POWER搭載の代表2モデル。新型ノートとキックス、トータルではどうなのか
・最近よく見かける新型メルセデスGクラス、その本命G350dの気になるパワフルフィール
・コンパクトSUV特集:全長3995mm/小さくて安い。最近、良く見かけるトヨタ・ライズに乗ってみた
・2020年の国内新車販売で10万台以上を達成した7モデルとは何か
・Jeepグランドチェロキー初の3列シート仕様が米国デビュ