400ccクラスは日本国内独自の排気量区分。大型自動二輪免許が教習所で取得できるようになってからは、リッタークラスの車両がなにかと注目されがちだが、大型と比べコンパクトな車体、車重、足着きから、日常の足から高速道路を使ったツーリングまでマルチに使えるバランスのよい車両が多くある。

今回はその400ccクラスのなかでも、レトロないでたちで所有欲を刺激する車両を紹介していこう。

日常からロングツーリングまでマルチにいけるシングルスポーツ 
HONDA GB350

今回紹介する「GB350」は、2021年に発売された空冷4ストローク・単気筒の350ccエンジンを搭載するロードスポーツモデル。トラディショナルにまとめられたスタイリングは懐かしくありながらも、若い世代には新鮮に見えるという意味では『ネオクラシック』というジャンルに相当。装備も非常にシンプルで電子制御によるライドアシストなどは一切ないが、通勤・通学・買い物などを目的とした日常的な扱いやすさはもちろん、ロングツーリングでも十分に楽しめるワイドなキャパシティを持ち合わせている。

歴史が物語るバイクの魅力 
YAMAHA SR400

1978年に登場して以来、長きにわたってライダーに愛され続けたヤマハの名車。デビュー当時から軽快なスポーツバイクという位置付けで、車体の軽さや取り回しのしやすさが好まれていた。2008年の排出ガス規制に対応しきれず一旦は生産終了になったが、フューエルインジェクションを搭載して2010年に再デビューを果たした。カスタムパーツの豊富さを生かして、好みに合わせた幅広い楽しみ方ができる(インプレッション車両は2013年の35周年アニバーサリーモデル)。

歯切れの良い排気音と鼓動感が楽しい 
Royal Enfield HUNTER 350

イギリス発祥のオートバイメーカー、ロイヤル·エンフィールド。現存するオートバイブランドで世界で最も古く、現在は、インドのオートバイブランドでありアイシャー・モーターズの一部門となっている。今回紹介する「ハンター350」は、新設計の空冷2バルブ単気筒エンジンをスチールフレームに搭載したニューモデル。2022年に海外で発売される、半年足らずで10万台以上の販売を記録している。

ハンター350の排気音の方がクラシック350よりもやや乾いて歯切れがいい! 低音が効いていて、これぞ単気筒といった音質だ。エンジンに関してはクラシック350と全く同じだが、ECUの変更などによって専用のセッティングが与えられている。エンジンを回してみるとクラシック350よりも吹き上がりは軽く現代的な味付けが加わっている。