※2頁目に衝撃的な画像を掲載しています。苦手な方は文章のみご覧ください。

【閲覧注意】足指19本、手指12本で生まれた女性の悲劇的半生! 多指症患者を“魔女”扱いする闇深い農村=インド
(画像=画像は、「The Daily Mail」より、『TOCANA』より 引用)

 インド・オリッサ州ガンジャム県に住むクマール・ナヤックさん(63歳)は多指症を持って生まれた。多指症は手足の指が通常よりも多く形成されてしまう先天異常で、発症頻度は1,000人に1人の割合とされる。余分な指が完全に形成されるケースから、指の痕跡が腫瘍のように突き出すケースまで、多様な症状が知られている。

 クマールさんの多指症は重症で、足に19本、手に12本の指がある。しかし、貧しさのためずっと治療を受けられずにいた。そんな彼女を苦しめてきたのは、多指症それ自体よりも、隣人たちの残酷な偏見だった。隣人たちは彼女を“魔女”であると信じて差別してきた。彼女は不快な言葉にひたすら耐え、家の中にこもって隣人たちを避ける生活を続けている。

「私が現在の状態になってから63年になります。近くの住民は私が魔女であると信じて、私を遠ざけようとします。しかし時々、私の状態を見ようとたくさんの人たちが訪ねてくることがあります。私は差別的な扱いを受けるため、家の中にいることしかできません」(クマールさん)

 一方、クマールさんに同情的な隣人は「彼女の問題は医学的なもので、他の人たちが信じていることとは何の関係もありません。彼女は自分を治療する余裕さえないので、とても気の毒に思います」と言う。

 オリッサ州では現在も“魔女”にまつわる迷信が根強く生き残っている。今年1月には、同州の村で“黒魔術”を使ったとされる女性とその子ども4人が殺害され、彼らの遺体が井戸に投げ捨てられる事件が起きた。逮捕された男6人のうち、1人は呪術師で、5人は同じ家族だったという。5人の家で昨年12月に12歳の娘が病死したため、呪術師の助言に従って“魔女”を殺害したとみられている。

 同州では“魔女狩り”が繰り返し起きているため、2013年に、魔術を理由とした中傷などを行った者に対して禁錮刑を科す法律が制定されたほどである。迷信がはびこる貧しい農村で、クマールさんはずっと苦しい生活を強いられてきた。悲劇は、病気によってではなく、人々の心の闇によってもたらされるのだ。
(文=標葉実則)

※次頁に衝撃的な画像を掲載しています。苦手な方はTOPにお戻りください。