もちろん、自然老化には決して勝つことはできないが、筋肉量や体力など健康はある程度努力でカバーすることは十分可能である。筆者は去年から一年間、パーソナルトレーニングジムに通って飛躍的に体力と筋力が増加した実感があるので、40代前半からでも十分効果は期待できる。
健康における現状維持となると、毎日8000歩程度歩く、筋トレをするという努力の継続が必須となる。スポーツジムの継続率に関する統計は地域や調査機関によって異なるが、ジム通いを1年間継続できる人は約4%程度と言われている。
コロナ禍以降、街中でジムを見かけるようになって繁盛しているように見えるが、1年後も頑張っているのはたったの4%。宅トレなどのスイッチした可能性は否定できないものの、残りの大部分の人は筋肉量を維持する現状維持に敗北したということになる。
これだけ街中にジムがあり、健康診断でNOを突きつけられ、運動の重要性が説かれていても、筋肉や体力の現状維持をほとんどの人はできないのだ。
人間関係の現状維持
最後は人間関係の現状維持、これも簡単なことではない。
自分が髪を切りに行っている美容院の店長さんから聞かされた話で印象に残ったのが「やっぱりオッサン同士、古い友人で酒のんでバカ話するのが一番楽しいですね」というものだった。彼が言う古い友人とは、幼稚園、小学生から高校までの本当に幅広い友人である。
この話を聞いて「自分はまったく現状維持ができなかったのだな」と少し落ち込んでしまった。
自分の希望としては他愛もない昔話で1-2時間盛り上がれば最高だと考えるが、久しぶりに会ってもお互いに話が噛み合わなくなってしまうことが多い。当然なのだが、お互いをつなぐ共通点が年を取るごとにドンドン減っていく。
子持ちは育児の話題で、経営者は経営者同士、サラリーマンはサラリーマン同士で盛り上がる。
だが、年齢を重ねるとお互いの立場も変わってしまうのでかつて仲が良かった相手とも合わなくなるということは普通に起きる。