ポルトガル第二の都市ポルトは、ドウロ川の北岸に位置する美しい古都。ポルトガル発祥の地として知られています。起伏に富み、壮麗な建築物が彩るポルトは見どころでいっぱい。そんな中で、筆者が特に写真を撮りまくってしまった5つの観光スポットについてご紹介します。すべて歩いて回れます!

目次

  1. リスボンからポルトへは電車で3時間、まずサン・ベント駅がすごい!
  2. 見どころ1. ドン・ルイス1世橋とドウロ川河岸、夕方も必見
  3. 見どころ2. アルマス礼拝堂の外壁を覆うアズレージョは圧巻
  4. 見どころ3. クレリゴス教会の塔からの絶景
  5. 見どころ4. 世界一美しい書店、リヴラリア・レロ
  6. 見どころ5. カテドラルの回廊を彩る18世紀のアズレージョ
  7. まとめ

リスボンからポルトへは電車で3時間、まずサン・ベント駅がすごい!

ポルトガルの首都リスボンからポルトまでは、高速鉄道APで3時間ほど。リスボンのサンタ・アポローニアを出発した鉄道は、まずポルトのカンパニャン駅に着きます。

市街地にあるサン・ベント駅へは、普通列車に乗り換えて一駅です。リスボンからの切符には、サン・ベント駅までの運賃が含まれていますよ。

このサン・ベント駅が圧巻!出入口から続く構内の壁が、約2万枚の装飾タイル「アズレージョ」で彩られているのです。ジョアン1世のポルト入城など、ポルトガルの歴史を壁いっぱいに描くアズレージョは迫力満点。

筆者が訪れた2024年初秋には、保護のため壁全体が白いガーゼで覆われており、色味が少し薄く見えましたが、歴史絵巻の壮大さに瞠目。ポルト到着早々、息を呑みました。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<サン・ベント駅の構内を彩るアズレージョ>

サン・ベント駅(Estação ferroviária de São Bento)

  • 住所:Praça de Almeida Garrett, 4000-069 Porto
  • 定休日:無休 ※構内のアズレージョは見学自由

見どころ1. ドン・ルイス1世橋とドウロ川河岸、夕方も必見

リスボンからの鉄道がサン・ベント駅へ近づくと、突然ドウロ川とポルトの旧市街が車窓に開けて、雄大さに目を奪われます。そこでポルト観光の第一歩は、ドウロ川に架かるドン・ルイス1世橋からスタートすることにしました。サン・ベント駅からまっすぐ南へ歩き、5分ほどのところにあります。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<ドン・ルイス1世橋>

1886年に開通したドン・ルイス1世橋は、ポルトの中心部と対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア市を結ぶ二重構造の橋。上層はメトロと歩行者用、下層は自動車と歩行者用となっており、アーチの曲線が優美です。

上層を歩きながら西を眺めると、悠々たるドウロ川が圧巻。右岸には朱赤の屋根が連なるポルト旧市街が広がり、左岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアには名物のポートワインを集積するワインセラーが並んでいます。川面にはかつてワインを運んだ帆船も浮かんでおり、まるで大航海時代にタイムスリップしたよう

ここがポルトガル発祥の地であることを実感します。ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア側の河岸に降りて、対岸のポルト旧市街を眺めるのもおすすめ。丘陵を埋め尽くすように建つ、カテドラルなどの建築群が絵にかいたような美しさです。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<ドン・ルイス1世橋から見たドウロ川とポルト旧市街>

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア側から対岸のポルト旧市街を見渡す>

夕方のドン・ルイス1世橋からの眺めは、とりわけ印象的です。ドウロ川の彼方に日が沈み、朱赤の屋根瓦の建築物がより鮮やかに染まります。この時間は多くの観光客が橋の上層部に集まり、身動きも取れないほど。橋の中央にはメトロも通っていますので、渡る際には十分にお気を付けくださいね。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

<夕方のドン・ルイス1世橋から眺めたドウロ川>

ドン・ルイス1世橋(Ponte Dom Luis I)

  • 住所:Ponte Luis I, Porto ※通行自由

見どころ2. アルマス礼拝堂の外壁を覆うアズレージョは圧巻

ポルトではあちこちでアズレージョに彩られた建物を見ることができます。中でも買い物客でにぎわうサンタ・カタリーナ通りに建つ、アルマス礼拝堂は圧巻。外壁全体がアズレージョで覆われており、美しい青と白の世界が広がっているのです。まるで巨大な宝石箱のような美しさです。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<アズレージョの外壁が美しいアルマス礼拝堂>

この外壁を覆うアズレージョは15,947枚。精緻な絵タイルで、アッシジの聖フランチェスコと、聖カタリナの生涯を描いています。現在のバロック様式の建物は18世紀に改築されたものですが、もともとこの場所には、聖カタリナを讃えて建てられた木造の礼拝堂がありました。

「サンタ・カタリーナ」という通りの名前も、これに由来するものです。入口があるファサードの右側には、幼児キリストと婚約する聖カタリナの有名な一場面が描かれています。もう一面の左の隅には、聖カタリナが50人の哲学者を論破する場面が。青の濃淡で繊細に描かれた、聖女の美しさに見入ります。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<サンタ・カタリーナ通りに面した入口(左)/大きな外壁の左隅に描かれた聖カタリナ>

こちらの外壁の前は、記念撮影をする観光客でいっぱい。青い花模様などの服装で訪れると、まるでだまし絵のような写真を撮ることができます。筆者が訪れた時も、数人の青い柄の服を着た人たちが写真を撮っていましたよ。車道に面した場所なので、車には十分にご注意くださいね。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<礼拝堂の内部はシンプルな美しさ>

アルマス礼拝堂(Capela das Almas)

  • 住所:Rua de Santa Catarina 428, 4000-124 Porto
  • 営業時間:月~木曜 7:30~18:00 金曜 7:30~20:00 土・日曜 7:30~12:30 18:30~19:30
  • 休館日:無し
  • 入場料:無料

見どころ3. クレリゴス教会の塔からの絶景

サン・ベント駅から西へ向かう坂道を歩くと、クレリゴス教会の堂々たる姿が現れます。背後に立つクレリゴスの塔は高さ76m、ポルトガルで一番高い鐘楼として親しまれています。ここからの眺めは絶景。225段の階段を歩いて昇る価値は十分にあります!

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<坂の上にそびえるクレリゴス教会と塔>

2つの展望階からは、壮麗なポルトの街を360度眺めることができます。帆船が浮かぶドウロ川と赤い屋根の街並み、荘厳なカテドラルやセラ・ド・ピラール修道院、市庁舎の時計台、アズレージョに覆われた家々など...。ポルトガルの礎となった街の魅力を実感しますよ。歴史がぎゅっと詰まった眺めです。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<サン・フランシスコ教会の奥にドウロ川が広がる>

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<カテドラルとセラ・ド・ピラール修道院を一望できる塔からの眺め>

観光シーズンのクレリゴスの塔は、入口に長い行列が出来るので要注意。筆者は13時過ぎに訪れたところ、14:30の入場チケットを購入するよう案内されました。公式サイトでは30分おきに塔の入場予約ができるので、事前に確保しておくのがおすすめです。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<ポルトのランドマーク、クレリゴスの塔>

クレリゴス教会と塔(Igreja e Torre dos Clérigos)

  • 住所:Rua de São Filipe de Nery, 4050-546 Porto
  • 開館時間:9:00~19:00
  • 休館日:無し
  • 入場料:教会は無料、塔と博物館は大人€10

見どころ4. 世界一美しい書店、リヴラリア・レロ

クレリゴス教会のすぐ北には「世界で一番美しい書店」のひとつと讃えられる、リヴラリア・レロ(レロ書店)があります。イギリスのガーディアン紙が選んだ「世界の素晴らしい書店 ベスト10」にランクインしたことから、一躍有名になったこの本屋さん。

ネオ・ゴシックとアール・ヌーヴォーが見事に融合した建物の前は、常に観光客が行列しています。こちらに入店するには、10ユーロのチケットが必要。この代金を本の購入に充てられます。15分おきに入場時間が選べるチケットは、事前に公式サイトから購入できます。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<外壁からすでに物語のような書店、リヴラリア・レロ>

店内に足を踏み入れると、そこはファンタジー映画の世界。中央には優美な曲線を描く木製の螺旋階段があり、1・2階の壁際いっぱいに、美しい唐草模様や花模様が刻まれた本棚が並んでいます。

ステンドグラスからはやわらかい光が入り、つる植物のようなスタンドから垂れ下がる照明も華やか。まるで魔法使いの館のような店内には、世界の名作小説やポルトガルの名所案内の英語版など、海外からの観光客も手に取りやすい本がずらりと並んでいます。筆者はポルトガル各地のアズレージョの写真集を買いましたよ。今では宝物になっています。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<優美な螺旋階段と彫刻に圧倒される店内>

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<天井のステンドグラスが店内を照らす(左)/螺旋階段は人気の撮影スポット>

チケットの指定時間直後の店内は、入店客でたいへん混雑します。しかし15分の枠の最後の数分間は、人混みはだいぶ落ち着いてきます。名物の螺旋階段などで記念撮影をしたい人は、先に買い物を済ませ、時間枠の終盤で写真を撮ることをおすすめします。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<美しい本棚には「ハリー・ポッター」シリーズも並ぶ>

リヴラリア・レロ(livraria Lello)

  • 住所:Rua das Carmelitas 144, 4050-161 Porto
  • 営業時間:9:00~19:00
  • 休日:1/1、聖日曜日、5/1、6/24、12/25
  • 入場料:€10

見どころ5. カテドラルの回廊を彩る18世紀のアズレージョ

ドウロ川を見渡す丘の上にそびえるカテドラル(ポルト大聖堂)は、ポルトで最も古い建造物のひとつ。重厚なロマネスク様式のファサードが印象的です。

12~13世紀の建造時はロマネスク様式、のちにゴシックやバロック様式で増改築が施され、さまざまな建築様式が混在する大聖堂になっています。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<ロマネスク様式のファサード(左)/まばゆい祭壇>

美しさに息を呑むのは、祭壇の右側の扉から続く回廊。14世紀に建造されたゴシック様式の回廊は、18世紀に作られたバロック様式の見事なアズレージョで装飾されています。

優美な曲線を描く尖頭アーチのリブヴォールトと、青と白で聖書の場面を描く精緻なアズレージョは絶妙な取り合わせ。時代を超えた美の競演に、写真をたくさん撮りたくなるスポットです。

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<アズレージョが彩るゴシック様式の回廊>

ポルトガルの古都、麗しのポルト!歩いて回れる写真映え観光スポット5選
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<アーチの曲線に青と白のアズレージョがよく似合う>

カテドラル(ポルト大聖堂)(Sé do Porto)

  • 住所:Terreiro da Sé, 4050-573 Porto
  • 開館時間:4~10月 9:00~18:30 11~3月 9:00~17:30
  • 休館日:聖日曜日、12/25
  • 料金:€3 ※回廊、宝物館含む

まとめ

ポルトガル発祥の地であるポルトには、写真映えする見どころがいっぱいです。以下のことをお心に留めながら、散策してみてくださいね。

  • リスボンからポルトへは鉄道で3時間、まずカンパニャン駅に着きます。市街地にあるサン・ベント駅へは乗り換えて一駅です。
  • サン・ベント駅は、出入口から続く構内の壁がアズレージョで覆われています。
  • ドン・ルイス1世橋は歩いて渡れます。橋の上層から眺めるドウロ川とポルト旧市街、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアの景色が見事です
  • アルマス礼拝堂は外壁全体がアズレージョで覆われています。
  • クレリゴス教会の塔からはポルトの街を360度眺めることができます。
  • リヴラリア・レロは世界一美しい書店の一つと言われています。15分おきに入場時間が選べるチケットを、事前に購入しておくのがおすすめです。
  • カテドラル(ポルト大聖堂)は、ポルトで最も古い建造物のひとつ。バロック様式のアズレージョが彩る、ゴシック様式の回廊が見事です。

それでは、壮麗なポルトを歩いて回る素敵な旅を!

文・写真・朝茶/提供元・たびこふれ

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