内閣府が11日発表した2024年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増、この成長ペースが1年続いた場合の年率換算で2.2%増となった。個人消費や民間在庫など内需の下振れが主因で、2月発表の速報値(前期比0.7%増、年率2.8%増)から下方修正となった。
みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは、改定値について「外需頼みの成長で、内需には停滞感がある」と指摘。ただ、春闘による賃上げが個人消費に反映される4月以降は「よりはっきりとした回復基調となる見通しだ」と分析している。
24年10~12月期実質GDPは外食や宿泊などのサービス消費、自動車の需要が速報段階より弱くなり、内需の柱である個人消費が前期比ほぼ横ばい(速報値0.1%増)に下方修正された。民間在庫の寄与度も、原油の在庫が取り崩された影響などでマイナス0.3%(同マイナス0.2%)に低下した。
内需ではこのほか、住宅投資もリフォーム需要が少なく0.2%減(同0.1%増)に下方修正。公共投資は公共工事の施工一服を受けて、0.7%減(同0.3%減)に下振れした。一方、企業の設備投資はソフトウエア投資などが好調で0.6%増(同0.5%増)に上方修正された。
外需は輸出が1.0%増(同1.1%増)に下方修正。輸入は2.1%減で速報値から横ばいだった。
24年通年の実質GDPは前年比0.1%増と速報値から横ばいで、プラス成長を維持。ただ、個人消費は0.01%減(同0.12%減)で20年以来4年ぶりのマイナス成長。名目GDPは3.0%増、実額は609兆4327億円で、速報値と同じく600兆円を突破した。
◇24年10~12月期のGDP改定値
◇実質成長率 0.6( 0.7) 年率換算 2.2( 2.8)
◇寄与度 内需 ▲ 0.2(▲ 0.1)
外需 0.7( 0.7)
◇主要項目
個人消費 0.0( 0.1)
住宅投資 ▲ 0.2( 0.1)
設備投資 0.6( 0.5)
民間在庫 ▲ 0.3(▲ 0.2)
公共投資 ▲ 0.7(▲ 0.3)
輸出 1.0( 1.1)
輸入 ▲ 2.1(▲ 2.1)
◇名目成長率 1.1( 1.3) 年率換算 4.6( 5.1)
(注)かっこ内は速報値。数値は前期比伸び率%、寄与度は%。民間在庫は成長率への寄与度。▲はマイナス(了)
(記事提供元=時事通信社)
提供元・Business Journal
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