世界遺産「シェーンブルン宮殿と庭園」の敷地内にあり、世界最古の動物園でもあるシェーンブルン動物園。欧州最高の動物園ランキングで6回も一位に輝いた、見どころたっぷりの動物園です。

観光のついでに行ってみたいけど、大きすぎてどこからどう歩こう.....と悩んでしまう人も多いこの動物園。この記事でルートを予習して、見たい動物や建物を効率的に回ってみてくださいね。

初級編「皇帝が作った世界最古の動物園!シェーンブルン動物園を満喫!」では、この動物園の歴史と、人気動物の集まるエリアの歩き方をご紹介しました。今回の「中級編」と次回の「上級編」では、年パス常連で、シェーンブルン動物園に何十回と通った筆者が、この動物園を色々な角度から満喫できるスポットや、おすすめルートをご紹介します。

目次

  1. シェーンブルン動物園の三つの入り口
  2. 動物たちの宮殿のような暮らし
  3. まとめ
【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<皇帝も朝食をとったシェーンブルン動物園のランドマーク「パビリオン」。現在はカフェになっている>

シェーンブルン動物園の三つの入り口

動物園は、パビリオンを中心とした最も歴史あるメインエリアの他に、広い敷地でのんびり暮らす草食動物たちの平地エリア、丘に木がうっそうと茂る森エリアにわかれています。

それぞれのエリアに入り口があり、どこから入ってどこから出ても良いので、目的や前後の予定によってルートを組んでみてください。それぞれの入り口の長所やおすすめのルートをご紹介します。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<動物園の模型全体図。パビリオンを中心に放射線状に広がっているのがメインエリア、左が平地エリア、奥の丘になっているところが森エリア。入り口は手前と左端と山の上の3か所にある>

王道ルート

地下鉄で直接動物園に行く際や、初級編でご紹介した主要な見どころを回るのに便利なのは、「ヒーツィング入り口」。短時間で動物園を見て回りたい場合は、ここから入り、メインエリアを中心に見学するのが良いでしょう。

この入り口は動物園に入る前から見どころたっぷりです。門に向かって左側に見える巨大なガラスの建物は、皇帝フランツ・ヨーゼフの時代に建てられた、当時世界最大の「温室」。

その向かいには、砂漠の動植物を展示した「砂漠館」もあり、動物園とは別料金ですが、植物好きの方におすすめです。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<シェーンブルン庭園の巨大な温室>

更に入り口に近づくと、日本庭園が見えてきます。これは、皇位継承者フランツ・フェルディナントが日本旅行した後に作らせた日本庭園が戦後発見、復活されたものです。当時の日本ブームが意外なところで垣間見られますね。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<シェーンブルン動物園入り口横の日本庭園>

宮殿見学後のおすすめルート

シェーンブルン宮殿を観光したついでに動物園に立ち寄りたい人には、宮殿から最も近い「ネプチューン入り口」がおすすめです。庭園の中ほどにある「ネプチューンの噴水」の右のゲートが入り口です。

ここから入ると、サイなど草食動物ののどかな平地エリアになります。そのまま「ヒーツィング入り口」方面に向かって歩くと、メインエリアを通って主要な動物たちを一通り見ることができ、帰りの交通機関にも便利です。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<「マリア・テレジア」を表す「MT」の文字が入ったこちらの門から>

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<シェーンブルン宮殿から動物園の入り口まではこのくらいの距離感です>

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<のんびり日向ぼっこを楽しむサイ>

宮殿を見下ろす絶景&森のルート

シェーンブルン宮殿から見ると、小高い丘の上にある「グロリエッテ」。ここから見える絶景を堪能してから動物園に入りたい場合や、車で訪れる場合は、丘の上の「チロルの家」入り口が便利です。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<シェーンブルン庭園の丘の上にある「グロリエッテ」からは、ウィーンの絶景を臨むことができる>

グロリエッテの向かって右にある森の中を行くと、動物園の「チロルの家入り口」があります。宮殿から歩くと20分ほどかかりますが、天気のいい日にハイキングがてら歩くと、健康的で、絶景も楽しめて一石二鳥ですよ。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<グロリエッテからシェーンブルン宮殿とウィーンの街並みを見下ろして>

この「チロルの家入り口」付近の森エリアは、メインエリアの貴族的な雰囲気とはまた違ったアルプスの田舎風な趣向になっていて、一つの動物園のさまざまな面が楽しめます。

ここからメインエリアに降りるには二つのルートがあります。「木の上の散歩道」というつり橋は、鳥たちの高さで森の木の間を縫うように作られていて、鳥を身近に観察できる道となっています。また、「森林散策コース」は、オオカミやヤマネコを見ながら森の小道をハイキング気分で歩くコースです。

どちらのコースをとっても、ゾウ舎のあたりに降りてきた後は、メインエリアの動物園散策が楽しめます。

動物たちの宮殿のような暮らし

300年近い歴史を持つシェーンブルン動物園ですが、中央のパビリオン以外にも、珍しい優雅な建物がたくさんあります。そんな歴史的な建物の中で過ごす動物たちの生活を見てみましょう。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<動物園というより貴族の館に来たような気分>

まず一番楽しいのが、サル舎です。中央のパビリオンからほど近く、屋内施設も内装も装飾が凝っていて、こんな素敵な建物で暮らしているサルたちがうらやましくなってしまいますね。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<サル舎の内装は宮殿のよう>

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<リスザルの親子>

メインエリア周辺は古い建物が多く残っていて、なにげない池ですら、300年前からここにあったというのは驚きです。「鳥類館」では、内装は貴族的な内装の中、のんびり眠るナマケモノや放し飼いの鳥のギャップが面白いですよ。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<19世紀の内装が美しい部屋のすみっこに、ナマケモノが丸まって寝ている>

メインエリアから少し離れた「オラン・ジェリー」という建物は、ハプスブルク時代に温室として作られた建物で、現在はオラウータン舎とレストランになっています。

当時温室と言えば、君主の富と権力の象徴として、世界中から集められた珍しい植物がコレクションされていましたが、今は動物と家族連れのパラダイスです。

【オーストリア】世界最古の動物園、シェーンブルン動物園を歩いてみよう!(中級編)
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<コンサートホールのようにも見えるオランウータン舎外観>

シェーンブルン動物園では、いたるところに歴史的見どころを記した看板が立てられていて、写真と共に来歴やゆかりの人物について知ることができるようになっています。気になったら少し立ち止まって、時代をさかのぼってみてはいかがでしょう?

まとめ

せっかく世界遺産シェーンブルン宮殿を見に来たなら、世界最古の動物園も見ておきたいですよね。観光ついでに立ち寄りやすいルートや、特に歴史を感じられる建物をご紹介しました。

ハプスブルク家が遺してくれた敷地や建物で、のびのびと暮らす動物たちを、じっくり眺めて楽しんでくださいね。

シェーンブルン動物園

  • 住所:Maxingstraße 13b, 1130 Wien
  • 営業時間:開園9:00~、閉園16:30~18:30 ※季節により閉園時間が異なるため、公式サイトで要確認
  • 休業日:なし

文・写真・ひょろ/提供元・たびこふれ

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