手術を受ける際、曜日は関係ないと思うかもしれない。しかし、最新の研究によると特定の曜日に手術を受けるとリスクが高まる可能性があるという。

 研究によれば、金曜日に手術を受けた患者は死亡リスクが他の曜日と比べて明らかに高いという。手術の種類を問わず、例えば股関節の置換手術のような比較的安全なものから、より複雑な手術まで、金曜日の手術患者は死亡率が約10%高くなるというデータが示されている。

「週末効果」とは? 医療体制の問題点

 この現象は「週末効果」と呼ばれ、主な原因として土日には経験豊富な医療スタッフが不足することが挙げられる。特に手術後のケアが重要なタイミングで熟練した医師や看護師が少なくなるため、合併症のリスクが高まる可能性があるのだ。

 さらに、週末は検査や画像診断などの医療サービスが制限されることも影響している。これにより術後の異常が見逃されるリスクが上がると考えられている。

 この研究を主導した米テキサス州ヒューストン・メソジスト病院のラージ・サトクナシバム博士は「週末直前に手術を受けた患者は、合併症の発生率や再入院率、死亡率が大幅に上昇する傾向にある」と指摘している。また、病院側はこの問題を認識し、曜日にかかわらず最高の医療を提供できる体制を整えるべきだとも述べている。