評価に関する不公平感や不満

 前述のとおり富士通は1990年代に大胆な成果主義的な人事制度を取り入れたが、これにより社内のガバナンスが大きく揺らぐ結果に。2003年3月期には2期連続で最終赤字を計上し、この成果主義には失敗という評価がつきまとうことになった。

「富士通の目標管理制度は他の大企業でも広く採用され、部下が上司と面談した上で短期目標と長期目標を半期ごとに定め、期末に達成度を評価するというもの。特に日本の大企業では部下にとって上司の意向は絶対的である傾向が強く、上司にとっては部下の目標達成度が悪いと自身の評価にも響くので、どのような目標設定にするのかということに多大な労力と神経が注がれることになった。また、個人として定めた目標以外のことに力を入れることには後ろ向きになるため、会社全体でみると社員間・組織間の協力関係が薄れてパフォーマンスが落ちたり、問題が解決されないという現象も生じやすくなった。

 そして、どれだけ厳格な評価制度を導入しても、結局は上司の判断で『この部下は実際には目標未達だけど、評価を低くつけると自分の管理・指導責任を問われることになるので評価を高めにつける』『この部下はそろそろ昇進させる必要があるので、高めの評価をつける』といったことも行われるようになりがちで、社員の間で評価に関して不公平感や不満が広がるという現象がみられた。当時、富士通でも若手社員を中心に多くの退職者が出たことは知られている。

 こうした失敗を教訓として、日本企業の成果主義的な人事評価制度は徐々にブラッシュアップが重ねられ、現在では柔軟な運用の重要性も意識されるようになっている」(同)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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