「民主党系の政治活動団体がいま縮小している最大の理由はそれら団体の運営に欠かせない一般からの寄付金の減少だろう。従来の民主党支持層の中にはまずカマラ・ハリス候補の敗北に象徴された民主党勢力の後退への失望や不満が多い。またトランプ政権下での民主党寄り組織への高額献金はトランプ陣営から睨まれ、なんらかの圧力や制裁の措置が取られるのではないか、という懸念も存在する」
しかし共和党側の政治評論家はこの種の民主党支持の民間政治組織に対してはバイデン政権からはこれまでは政府資金がいくつかの迂回路をたどって補助金、育成資金として供与されていたが、トランプ政権になってすぐ、その種の公的資金の転用がなくなったことも、民主党リベラル系の団体の縮小につながった。と指摘している。
いずれにしても米国の政治地図の画期的な変化はこんな部分でも明白となっている、ということである。
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古森 義久(Komori Yoshihisa) 1963年、慶應義塾大学卒業後、毎日新聞入社。1972年から南ベトナムのサイゴン特派員。1975年、サイゴン支局長。1976年、ワシントン特派員。1987年、毎日新聞を退社し、産経新聞に入社。ロンドン支局長、ワシントン支局長、中国総局長、ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員などを歴任。現在、JFSS顧問。産経新聞ワシントン駐在客員特派員。麗澤大学特別教授。著書に『新型コロナウイルスが世界を滅ぼす』『米中激突と日本の針路』ほか多数。
編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2025年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。