エンジン同様凝った構成のフジミ製インテリア
タミヤ+フジミで1/24スケール・プラモデルにおける究極の911ターボを作るという本企画、4回目となる今回はインテリアの制作だ。
第1回でお見せしたように、シャシーがフジミなのでインテリアもフジミの部品を使うのだが、その前にタミヤのインテリアにも少し触れておこう。タミヤの911ターボは、1987年にリリースされたスナップキットの911ターボ・フラットノーズを元にしており、インテリア部品はそのまま継承されている。
フラットノーズのインテリアは基本的にはノーマルの911ターボと変わらないが、キットのシートはオプションのレカロ製パワーシートが再現されている。ポルシェのカスタマイジング部門で受注生産されたフラットノーズらしい装備である。パワーシートはノーマルの911ターボにも装着可能だが、今回はスタンダードな仕様の911ターボを作る、という趣旨なので、使用しなかったというわけだ。
930型911の内装色はブラック以外にも色々ある
さて、ターボを含め930型911というと、我が国では「男の仕事場」的な黒1色のインテリアを思い浮かべる向きが少なくないだろう。しかし実際には911のインテリアカラーは非常に豊富で、当時のカタログによれば、ファブリックとレザーの2種類があり、ファブリックの場合は前シートの座面と背もたれのサイドサポートは黒のビニールレザーで、中央部にはレッド、グレー、ブラウンなどのチェック模様の布が張られる。
一方レザーの方は、ブラックの他にベージュ、シャンパーニュ(明るいブラウン)、バーガンディ(濃赤茶)、グレー、ネイビー(濃紺)、マゼンタ(エビ茶)、チョコレート(黒茶)、ロブスター(オレンジ系の赤)、レッド、パールホワイトなどがあり、例えば年式によってベージュに濃淡の違いがあったりもする。

さらに標準仕様ではブラックであるダッシュボードやリアシェルフをシートと同色にしたり、前後シートやドアトリムをツートーンにすることも可能だった。また、これらのチョイスはボディカラーに縛られることはなかったようだ。そのため930型911には1台として全く同じインテリアを持つ個体は存在しない、と言ってもあながち間違いではない。
量産車といっても大衆車とは異なり、そもそも生産台数が少なく、富裕層向けの高額なスポーツカーであるからこその柔軟な対応が行われていた、ということだろう。
というわけで、作例のインテリアカラーはボディカラーとの相性を考慮して、シャンパーニュをチョイスした。詳細は写真のキャプションをお読みいただきたい。
文・北澤志朗/提供元・CARSMEET WEB
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