マイカーを維持するうえでは、定期的なメンテナンスが必要です。
オーナーには点検や整備によって愛車を「安全に公道を走れる状態」を保つ義務がありますが、2017年に国土交通省が実施した調査では、日常点検を「全くしない」というオーナーが約3割を占めました。
メンテナンスを怠っていると、整備不良などで周囲を危険に巻き込むリスクが大きくなります。今回は「点検を怠りすぎて大変な事態になったエピソード」を集めました。
期待外れの乗り心地…そのまさかの原因

車を買い替えた際など、納車された段階の車は「万全な状態」だと思ってしまうものでしょう。しかし中古車を購入する場合はとくに、販売店が不備を見落としている可能性もあり、納車直後でも十分な注意が必要です。
「もう15年くらい前の話です。高校の頃からの友人がずっと初代セルシオに乗りたがっていて、大学生のときはバイトをしながらマークIIを維持していたのですが、就職後しばらくして念願のセルシオを購入したと喜んでいました。
でも、しばらくするとセルシオの話を出さなくなり、どうしたのか聞いてみたんです。するとどうやら、乗り心地がフワフワしすぎてて、期待外れだったと。マークIIの方が全然よかったとまでいうので、『そんなことあるかな?』と不思議でした。
その後、友人のセルシオで遊びに行くと、たしかになんだかグニャグニャした乗り心地で……。原因はすぐにわかりました。コンビニに寄ったときにタイヤを見ると、四輪ともかなりペチャンコの状態だったんです。
すぐにスタンドで空気圧を見ると、規定の半分にも満たないレベルでした。規定値まで入れると、当然のごとく乗り心地は激変。友人のテンションが見たことないくらい上がっていましたね。いや、空気圧くらい見とこうよと……」(30代男性)
一般に、タイヤの空気圧は「月に1度」のペースで点検しておくことが推奨されています。空気圧が抜けてしまうと、走行性能や燃費が悪くなるほか、パンクやバーストといったトラブルも起きやすくなり、危険な状況を引き起こす可能性も高まるでしょう。
タイヤの減り具合や損傷を確認する意味でも、定期的な空気圧点検は欠かせません。
キレイめカジュアルな新入社員、なぜか車はボロボロ

街を走っていると、大きなキズやヘコミを直さないままの車を見かけることがあります。次に紹介するのは、そうした「ボロボロのままの車に乗る人」が知り合いにいるという方のお話です。
「しばらく前、同じ部署に配属された新人の女性社員の話です。いつもキレイめのカジュアルで出社して、メイクも毎日しっかり決めていたので、身なりには気を遣うタイプに見えました。でも、乗っている車が古いベージュの小さなセダンで、かなりギャップがあったんですよね。
ボディもかなりボロボロで、見るたびキズやヘコミが増えているように感じて。それとなく『直さないの?』と聞くと、『もともとおじいちゃんに譲ってもらってキズだらけでしたし、今さらもったいないかなって』と。
そのときは、お金をかけるところは人それぞれだと納得していましたが……。ある日会社の駐車場で、彼女の車のリアバンパーがほとんど外れそうな状態なのを見て仰天。さすがに部品が脱落したら危険ですし、直した方がいいと伝えたんです。
すると翌日、駐車場にあったのは、ガムテープで補修された彼女の車でした。数年して退職していましたが、車はずっとガムテープ補修のままでしたね」(30代男性)
たしかに人によっては、「このレベルのキズならいいか」と放置したまま車に乗りつづけることもあるでしょう。とはいえ部品が外れかかっている状態での走行は、保安基準上の観点から法令違反となる可能性もあります。
走行中に車から積載物や部品を落下させてしまうと、後続車や周囲の車にとって非常に危険な状況につながります。ぶつけてしまった車を自走させる際は、「部品が落ちないか」をしっかりチェックしておく必要があるでしょう。
それは一番忘れちゃダメなやつ…!

定期的なメンテナンスの習慣がないドライバーであっても、車検の際には整備工場などで点検してもらう人がほとんどでしょう。しかし世の中には、信じられない「うっかり」をしてしまう人もいるようです。
「会社の同僚で、かなり注意力が足りないタイプというか、仕事でも私生活でもケアレスミスや忘れ物が多い人がいます。期日が先の仕事なんかは結構な確率で忘れていますし、普段から財布やらスマホやらキーケースやら、何回落とした話を聞いたかわかりません。
もちろん仕事では、長年のことなのでフォローできる体制にはなっているんですけど……。
さすがにドン引きしてしまったのが、車検を通すのを忘れたまま1年以上車に乗ってしまっていたことです。気づいたのはまた別の同僚で、点検ステッカーの色に違和感を覚え、発覚に至ったと。
本人は『あーそういえば忘れてた!』とのんきな感じでしたが、当然周りは大慌てです。車通勤で、そのまま帰すわけにはいかないので、整備工場に連絡し、会社まで積載車が引き取りにくるというカオスな事態になっていました。
今でも同じ職場で働いていますが、さすがにこれ以上の衝撃はなかったですね」(40代女性)
車のオーナーは車検を受けることが義務づけられており、車検切れの状態で公道に出ることは道路運送車両法第58条に違反することになります。また自賠責保険が失効している車両を運転することは、自動車損害賠償保障法第5条に違反し、いずれにおいても重い罰則が設けられています。
万が一事故が起きた際には、各種保険も適用できず、高額な賠償を負担することになる可能性もありますので、車検の時期を忘れないよう注意が必要です。
もし車検の期限が過ぎていることに気づいた場合は、自分では絶対に動かさず、整備工場などに積載車を手配してもらい、車検に必要な手続きを済ませましょう。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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