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韓国Kリーグの「芝問題」が再び浮き彫りになった。Kリーグ1の全北現代モータースが、ホームスタジアムの芝の不備によって、3月6日に予定されているAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)準々決勝を本拠地で戦えなくなった。
アジアサッカー連盟(AFC)は2月24日に全北現代に対し、ACL2準々決勝第1戦のシドニー戦会場変更を指示。全北現代の本拠地である全州ワールドカップ競技場のピッチが「不適合」と判定されたためで、試合は代替会場の龍仁ミルスタジアムで開催されることになった。
昨2024年10月には、Kリーグ1の光州FCが同じ理由でAFCから会場変更を命じられたばかり。韓国だけで2度目の「芝問題」となり、国内サッカー界の管理体制に疑問が生じている。
クラブハウスから約161km離れた龍仁ミルスタジアムでの試合を余儀なくされた全北現代。本来のホームとは異なる環境で移動負担が増すだけでなく、陸上トラック付きの競技場では本拠地ならではの雰囲気も作りづらい。選手にとっては事実上のアウェイ戦といっても過言ではない。
そもそも、Kリーグの「芝問題」は今に始まったことではない。AFCの大会に出場するチームが国際基準のチェックを受けたことで目立ったに過ぎず、国内クラブの多くがピッチ状態に頭を悩ませている。選手からも不満の声が上がるほど、芝のコンディションは深刻な問題だ。
韓国プロサッカー連盟は「芝問題」解決に取り組んでいるが、気候条件の厳しさもあり、短期間での改善は容易ではない。光州は夏の猛暑による管理失敗、全北現代は冬の寒波による芝の劣化と、季節ごとの課題が浮き彫りになっている。
Kリーグでは秋春制への移行が議論されているが、十分なインフラ整備なしに進めれば、さらなる問題を引き起こしかねない。Kリーグのクラブ関係者からは「無計画に移行すれば、今回のような失態を繰り返すことになる」「寒さに適応できておらず、負傷者や観客への影響が深刻だ」と懸念を示すコメントが『スポーツソウル』で伝えられている。