■祖父の臨終の間際にスターピープルが再訪
この一件の後、ダレンは祖父からスターピープルにまつわる話を多く聞かされることになる。祖父が少年のころからコミュニティにはスターピープルに関するストーリーが数多くあったが、祖父にとってスターピープルに会ったのはこれで2度目であるということだ。
それでも祖父が強調していたのは、いかに彼らがフレンドリーで人間にとって無害であるかということだった。彼らは地球の歴史がはじまった時点から地球を訪れており、我々人類に調和の大切さを思い出させるために今も時折地球上にやってくるのだという。その調和は「シード層（seed layers）」と呼ばれているということだ。
彼らは種子を地球に持ち込み、成長するかどうかを確認するという。そして一定期間が経ってから再びやってきてその成長を確認するということだ。祖父によれば、彼らは植物だけでなく動物もこの地球に持ち込んできたのだという。
ダレンによればこの一件の後、スターピープルの来訪がさらに2回あったという。
まずは80代の祖父が亡くなる少し前のことであった。何の予告もなくスターピープルが夜遅くに突然現れ、祖父のベッドに歩いて行き、何かを話しながら祖父の容体を案じていたという。そしてしばらくして、彼は出て行った。
祖父はダレンに、スターピープルが祖父のことを待っていると語った。
この出来事の3日後に祖父は町の病院で亡くなったのだが、亡くなるほんの数時間前に、スターピープルが祖父のためにもう一度やって来るとダレンに話したのだった。
そして本当に死の直前に彼らはやって来た。臨終の瀬戸際にある祖父はスターピープルにトルコ石の入ったポーチを贈ったのだった。これにスターピープルはたいそう喜んだということだ。
祖父の死から2年後、クラーク氏は再びダレンに話を聞いた。その後もスターピープルはこの地にやってきているのかどうかについてだ。
ダレンは祖父の死後にはスターピープルを目撃していないのだが、時折ここにやって来ている形跡があるという。
ある日久しぶりに実家に帰ったダレンは、玄関に小さなポーチが置いてあることに気づいた。よく見るとそれは祖父が臨終の間際にスターピープルに手渡したものであったのだ。
ポーチを開けるとトルコ石が落ちてきた。この石を見て正真正銘、これは祖父の贈り物であったことがわかった。 どういう理由なのか、スターピープルはこのポーチを返しにやってきたのである。ダレンはこれはあの世の祖父が何の問題もなく元気にしていることを伝えるための、スターピープルの粋な計らいであると確信した。それ以外の説明は考えられないということだ。
スターピープルは今もなおアメリカ先住民コミュニティと深い関りがあるようだ。今後もこの地でスターピープルにまつわるどのような魅力的なストーリーが語り伝えられることになるのかチェックを続けていきたい。
提供元・TOCANA
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