第3フェーズとしての海外展開を視野に
たしかに、USJの1日券(入場とアトラクション(一部有料アトラクションを除く)が利用できる)である1デイ・スタジオ・パス(大人)は8600~10900円であり、一方で、ディズニーリゾートの1デーパスポート(入園日とパークが指定されたチケット)は大人7900~10900円となっている。
「もともとゴルフ場だったところをテーマパークに生まれ変わらせる跡地の活用はジャングリア沖縄だけではなく、海外へ展開できるビジネスのチャンスを視野に入れています。まずは今回のパークを成功させる(第1フェーズ)、ゴルフ場跡地全体の敷地面積は120haで、今回はそのうちの60haを活用しており、次は残りの半分を活用する(第2フェーズ)。第3フェーズとしての海外展開を視野に入れている。そこからも逆算して価格設定をしています。体験価値に応じての価格設定です。今後投資をどんどんしていきます。現在活用する60haの土地にもフューチャーエリアといわれる新しく建設できるエリアを設けています。残りの60haもパーク自体を活用するという案もあり、体験価値に応じて価格が変動する可能性はあります」(同)
USJやディズニーリゾートが導入している価格変動制(ダイナミックプライシング)や年間パスポートについての設定はどうか。
「いわゆるダイナミックプライシングについては、現時点では検討はしていません。私たちのテーマパークは都市型のテーマパークではなく、沖縄旅行という文脈で来ていただくテーマパークであることから、共通の価格設定のほうが消費者・ゲストの方にとってもよいのではないかと考えるためです。また、沖縄に来られる方の頻度を調べると沖縄旅行はだいたい3年周期。このため、年間パスはいまのところご用意する予定はありません。ただし、USJのエクスプレス・パスのような体験価値をスムーズに進めるような特別なチケットの販売は検討しています」(同)
年間300~400万人の来場者があるアジアトップクラスの沖縄美ら海水族館(入場料2180円)は車で15分ほどしか離れておらず、今後は相乗効果が期待できる。美ら海水族館とジャングリア沖縄を満喫し北部に一泊することで、沖縄全体の滞在日数や消費単価を上げていく試みにより、沖縄北部は美ら海水族館に行くだけの「素通り観光」を払拭できるか――。価格体系だけではなく、全国の観光関係者も注目のプロジェクトなのである。
(文=松井克明/ジャーナリスト)
提供元・Business Journal
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