遠藤航 写真:Getty Images

 リバプール(イングランド1部)の最新の財務報告が2月28日に公開され、クラブの親会社であるフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)への批判が高まっている。FSGはアメリカの投資会社で、2010年にリバプールを買収。財政再建を進めながらクラブの価値を高めてきたが、支出を抑える経営方針に対し、ファンからは「野心が足りない」との批判が絶えない。

 今回の財務報告では、管理費の急増と税引前損失が明らかになり、補強資金の不安が広がる中、一部の選手の去就も議論を呼んでいることをUKメディア『Football Insider』が伝えている。

 クラブが発表したデータによると、2024年度の管理費は3,800万ポンド(約72億円)増加し、合計6億ポンド(約1,135億円)に達した。これは、事務費用や選手・スタッフの給与、施設維持費などを含むクラブの運営コストを指している。商業収益は3,600万ポンド(約68億円)増加したものの、それを上回るコストの膨張により、最終的な税引前損失は5,700万ポンド(約108億円)となった。支出の主な要因は選手の給与負担で、11名の契約延長と4名のトップチーム選手の獲得が影響している。

 ファンの間ではニューカッスル・ユナイテッドのFWアレクサンデル・イサクの獲得を求める声が上がる一方で、補強資金の確保が難しい現状では、積極的な市場介入ができるか不透明なままだ。

 また、FWダルウィン・ヌニェス、FWフェデリコ・キエーザ、MF遠藤航らが“足手まとい”な存在と見なされ、放出される可能性があるとの声も上がっている。DFイブラヒマ・コナテの移籍話も浮上しており、主力級の流出が懸念されている。

 「FSGは自分たちの懐を潤し、クラブはどんどん貧しくなっている」「6億ポンドの管理費の内訳を知りたい。いったい誰に支払われているのか?誰かが私腹を肥やしているのではないか?」と疑問を投げかけるファンもおり、FSGへの風当たりはさらに強まっているようだ。