これはまるで「攻殻機動隊」のような世界ですが、理論的には決して不可能ではないようです。
② 人間の脳細胞がコンピュータを動かす?「バイオコンピュータ」の可能性
2023年のジョンズ・ホプキンス大学の研究では、さらに驚くべき技術が報告されています。
それは、「人間の脳細胞を用いたコンピュータ」の開発です。
ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、培養した脳細胞(オルガノイド)を使って、従来のシリコンチップよりも効率的なデータ処理が可能になることを示しました。
これは、コンピュータが単なる電子回路ではなく、「生物的なプロセッサ」へと進化しつつあることを意味します。
この技術が進化すれば、「人間の脳をそのままデジタル化する」のではなく、「脳そのものをデジタルコンピュータとして活用する」という新たなアプローチが現実になるかもしれません。
「意識」はクラウドに移せるのか?
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とはいえ、「脳のクラウド化」には、解決すべき問題が山積しています。
最大の疑問は、「意識」をクラウドに移せるのか? という点です。
現在の神経科学では、「意識」とは脳内のニューロンの電気的活動によって生まれると考えられています。
しかし、脳をデータとして保存するだけで意識が継続するのか、それとも新しいコピーができるだけなのかは、まだ科学的に証明されていません。
たとえば、「デジタルツインブレイン」の研究(arXiv, 2023)では、人間の脳をデジタルシミュレーションする試みが進んでいますが、これは単なる「模倣」に過ぎず、オリジナルの意識が移動するわけではありません。
「脳のクラウド化」はSFから現実へ?
現在の研究を見る限り、脳とクラウドを接続する技術は確実に進歩しているものの、「意識のアップロード」という最も難しい問題は未解決のままです。